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評価:
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アニプレックス
¥ 3,127
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【あらすじ】
自殺して死んだはずのぼくは、魂の状態で、とある少年「プラプラ」と出会う。彼の話によると、ぼくは何かに当選したらしく、特別にもう一度下界に戻って人生をやり直すチャンスを与えてくれるのだという。別に下界に未練もなく、戻りたいとも思わないぼくであったが、プラプラはぼくを無理矢理下界に連れ戻し、「小林真」という自殺を図った少年の体に乗り移って人生をやり直すことになったのであった…。
【感想】
主人公は自殺未遂を起こした少年で友達はいないし、母親は他所の男と不倫しているし、憧れの女の子もどこかのおじさんと援助交際しているという、なかなか不幸な境遇を背負った「小林真」少年の話なので、全体的にはちょっと重い話ではあるんですが、そんな小林少年に乗り移った「僕」が彼の人生をやり直していくという「再生」の物語でもあるので、クライマックスも決して悲劇的な展開ではなく、ハッピーエンドな感じで終わってくれているので、その辺はなかなか清清しい展開でよかったです。
全体的には、家族っていいな、友達っていいなって改めて思い出させてくれた作品でした。ラスト直前の家族が全員集まるシーンはちょっと感動的でした。どんなに酷い仕打ちをしたって家族は見捨てないし(見捨てる家族もいるかもしれないけど)、どんなにつらいことがあったって友達がいれば乗り切れるんですよね。友達の存在も家族の存在も有難いなーって思いました。
あと、小林君のクラスメイトに早乙女くんって子がいるんですが、そのキャラクターが良かったです。顔もそうなんですが、キャラクターが「いい人」オーラでまくりなんですよね。ちょっとボケーっとした感じもあるんですが、マイペースで誰にでも優しい、そんな彼が素敵でした。吹き替えの入江甚儀くんの声の雰囲気も合っててよかったですね。
あと、印象に残ったシーンとしては、物語中盤の「母親いじめ」のシーンがインパクトが強かったです。母親が不倫をしているということが判明し、母親を拒絶するようになっていくんですが、母親に対するその仕打ちはひどいなって思いました。「不倫」という現実を突き付けられてショックを受けるってのはわからなくもないけれども、作ってくれたご飯は一切食べず、話しかけられても反抗し、心配してくれてるのにとどめのセリフを放つ。今度はお母さんが自殺してもおかしくないんじゃないの?って思ってしまうくらいの展開だったので、かわいそうでした。母親じゃないんでわからないけれども、愛する息子に同様の仕打ちをされたら…きっとつらいよなーって思ってしまいましたね…。
…とまぁちょっとしんどい展開の部分もあったりはしたんですが、全体的にはすごく面白かったです。いつのまにかあの世界にどっぷり浸かってました。3Dアニメ映画が流行っていて、2Dのアニメ映画はちょっと押され気味な感じもしますが、2Dのアニメもいいものはいいなって思わされた作品でした。
★★★★★