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評価:
黒野 伸一
小学館
¥ 1,680
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【あらすじ】都会での生活に疲れ、かつて祖父が住んでいた田舎へとやってきた優。彼は、そこがいわゆる「限界集落」と呼ばれる地域であることに気がついた。病院もなく、バスもなく、お店もない。そんな場所ではあったが、彼にはこの村の過疎化を食い止めたい。そういう思いが湧き出てくるのであった…。
【感想】
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☆限界集落再生物語
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市にも見捨てられ、病院もなく、バスも走ってなく、お店もなく、住んでるのはほとんどが老人だけ。
そんな限界集落を舞台にした、農村再生の物語ですね。
少子高齢化がどんどん進み、日本の人口自体が減り始めた以上、国がこの問題をなんとかしない限り、根本的に過疎問題が解決するってのはありえないかと思いますが…
ただ単に指をくわえて村が滅びるのを待ってるだけ〜じゃなくて、最後の悪あがきって感じでなんでもやってやる!な前向きな雰囲気は読んでて気持ちよかったです。
やっぱり自分が生まれ育った土地がなくなってしまう…ってのは抵抗ありますもんね。
できない理由を探すんじゃなくて、どうすればできるかを探しだしてやってみる。この精神は大事だなーってのを感じました。
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☆適材適所
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あと、印象的だったのは、「人を活かす」って部分ですかね。
頭でっかちなエリートサラリーマンだけだったら、机上の空論だけになってしまって実現性が乏しくなってしまうだろうし、
かといって現場の農家の人間だけじゃ、斬新なアイディアが出てこないから、今までの改良程度に収まってしまう。
また、明らかに農業に向かないであろうひょろひょろっとした頼りない若者も、コンピュータやネットには詳しかったりするから、
「野菜のネット販売」とか「ネットを使った広報活動」とかには案外向いてたりもする。
自分の苦手分野でも頑張って続けていく〜ってのももちろん大事かとは思いますが、わざわざ苦手なことをやらせるより、その人の長所を伸ばすような人の使い方も大事なんだなーってのを感じました。
ストーリーの展開としてはちょっとうまく行きすぎな感が否めないですが、斬新なアイディアがバンバン出てくるし、読んでて前向きな気持ちになれるのが良かったです。
紹介してくれたかめさんどうもありがとうございました(^^)