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評価:
原田 マハ
集英社
¥ 1,470
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【あらすじ】通称「おかえり」こと丘えりか。彼女は、唯一のレギュラー番組が旅番組で、旅をするのが大好きという売れない女子タレントだったのだが、その唯一の旅番組が打ち切りになってしまった。仕事がなくなってしまった彼女は、新たに、「旅行に行けない人の代わりに旅行に行く」という「代理旅行」のビジネスを始めることになるのであったが…。
【感想】
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☆読んでてほっとするような作品
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売れないアラサータレント「おかえり」こと丘えりかが、旅をするって話ですね。
読む前はちょっとどんなもんかなーって思ってた部分があったりするんですが…
読んでみたら、想像していた以上にほのぼのするような、読んでて心地良い感じがする作品で面白かったです。
仕事として単に旅するだけじゃなくて、周りの人を笑顔にしていくようなキャラクターなんですよねー。おかえりさん。
旅好きな人はもちろん、旅好きじゃない人も、ちょっと旅をしてみようかなって、そう思わせてくれる一冊じゃないかなって思いました。
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☆楽しそうな旅
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で、どの辺が良かったのかっていうと、やっぱり「おかえり」さんがお送りする「旅」の部分ですかね。
東京からはるばる電車に乗って、ローカル線に揺られてようやく目的地にたどり着いて。
東京とは違った空気の冷たさに驚いてみたり、東京では見られない景色に喜んだり。
地元の人に声かけられて一緒に笑ったり、地元でオススメ料理をおいしい!って食べてみたり。
今まで他人が旅してるところを見て何が面白いの?って思ってた部分があったんですが…
愛すべきレポーターが道案内をしてくれて、彼女と一緒に自分も旅をしている。
そんな感覚が味わえるなら、旅番組も見てみると楽しそうだなーってのをちょっと感じました。
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☆旅番組ってちょっと羨ましいよね
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でもよく考えてみると、旅番組のレポーターってなんかちょっとうらやましいですよね。
会社のお金で旅が出来て、プロのスタイリストさんやメイクさんが、衣装や化粧を用意してくれて、プロのカメラマンが撮影してくれて、プロの編集者が編集してくれて、おいしい料理が食べられて、ギャラまでもらえちゃうという。
まぁテレビ番組なので有名人か、あるいはそれなりに可愛い子とか楽しい子じゃないと無理なんでしょうけど、旅好きな人からするとちょっと羨ましい職業なんじゃないかなーって思いました。
そういう意味では、この「おかえり」さん、ブレイクもせずに、好きな旅ができる旅番組のレポーターになれて良かったねぇってちょっと思っちゃいました(笑)