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評価:
永嶋 恵美
徳間書店
¥ 620
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【あらすじ】付き合ってみたものの、束縛欲が強く、DVに苦しめられていた梨紗。そんな彼女は、どうにかして今の彼から逃れたいと考えていたのであったが、そんなある日、ちょっと変わった広告を見つけたのだった。「あなたの恋人、友だちのカレシ。強奪して差し上げます。」ちょっと胡散臭い感じを受けたものの、このままでは殺されると思った梨紗は、思い切ってその広告の電話番号に電話してみることにしたのであったが…。
【感想】
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☆泥棒猫
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友達の彼氏や、自分の彼氏など、別れさせたい相手がいる人からの依頼を受けると、その人から相手を『強奪』してくれるという、別れさせ屋みたいな話ですね。
『強奪』という言葉から、ちょっと過激でドロドロな感じのストーリーを想像してしまったので、初めは本屋さんで手に取るのを躊躇ってしまったりしていたんですが…
そんなのを後悔させてくれるくらい痛快で爽快で楽しい話で面白かったです(^^)
恋は盲目といいますか、なんでこんないい子にこの彼氏?って思ってしまうようなお相手がくっついてる場合って結構ありますよね?
で、そんな女の子のお相手にさらっと近寄って、さくっと奪い取って、しらっと懲らしめてきてくれる(笑)
それが罠だとも気づかずに、綺麗なお姉さんの手口にまんまと嵌り込み、いつのまにやら捨てられてるという、傍から見ると滑稽なくらい痛快な展開が読んでいて気持ちよかったです(^^)
世の中不幸な女性って結構いるかと思うので、こんな泥棒猫さんが、実際にいてくれればいいのに。なーんてのをちょっと思いました(笑)
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☆バリエーション豊かな展開
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あと、こういう話って結構似たり寄ったりな展開になるのかなーって思ってたんですが…
出てくるストーリー、みんな違ったパターンだったのが斬新で良かったなーって思いました。
自分の彼氏と別れたい。友達に奪われた彼氏を友達から奪って欲しい。
このあたりが王道なのかなーって思ってたんですが…その他のエピソードもなかなか奥が深くて。
特に一番最後のエピソードは、家出少女の話なんですが、ちょっとゾッとするような、はらはらドキドキするような、そんな展開でなかなか面白かったです。
泥棒猫のヒナコが一体何者なのかっていうのも、今作では明らかにならなかったので、ぜひ続編も読んでみたいなーって思いました(^^)
最後に、ぺんぎんさん、mooさん紹介ありがとうございまーす。面白かったです(^^)