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評価:
瀧羽 麻子
実業之日本社
¥ 630
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【感想】
30歳の男女7人を描いたお話。
30歳といえば、既に結婚して子どもがいる人もいるし、これから結婚!で幸せいっぱい!な人もいるし、
はたまた、結婚の予定なんてなくて夢を追いかけている人もいるし、あるいは、結婚したいけどできなくて焦ってる人もいる。
そんな微妙なお年ごろだってのは、身を持って体験しているのでよくわかってるつもりではあるんですが…
改めてこういうのを読んでみると、皆さんそれぞれ複雑な思いを抱えてるんだなぁって感じで面白かったです。
既婚者は独身者を見て○○ちゃんはいいよねぇみたいな感じを抱いてるし、独身者は既婚者を見て△△ちゃんはいいよねぇなんて思ってたりする。
隣の芝は青く見えるってのはまさにその通りなんでしょうけど、個々の人間の心理って面白いなって感じでした。
以下、出てきた人で興味深かった人の感想書いてみます。
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☆鈴子の場合
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友達が次々と結婚し、独身者が少なくなっていく中、焦るわけでもなく、結婚にあまり興味がわかない女性の話。
なんとなーくではあるんですが、僕もこれに近いので結構共感できました(笑)
結婚するしないは個人の自由だといいつつも、やっぱり世間一般的には、結婚してる人の方が多いし、結婚したい人まで含めると結婚に興味がない人はやっぱり少数派。
結婚に興味が湧かないなんてやっぱり自分って変なのかなーなんて思ってみたり、やっぱり結婚しなきゃだめなのかなーなんて悩んでみたり。
何事にもそんなにテンションあがらない感じが僕と似てるかもーなんて思ってしまった鈴子さんでした(笑)
あと、ブーケトスなんて独身者に対する嫌がらせだ!みたいなのも出てくるんですが…
確かに、独身者だけ前に呼び出してブーケを取らせるってのは、見方によっては晒し者にされてるようで嫌ですね(^_^;)
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☆裕人の場合
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父が倒れたことにより、急遽実家の旅館を継がなければならなくなってしまった男性の話。
今までは東京に住んでいて、彼女も東京にいるんだけれども、実家に帰るとなると、田舎に帰らなきゃいけない。
付き合ってる彼女のことは好きだけれども、彼女にも仕事を辞めてもらって、田舎に一緒に来てもらえるのだろうか…っていう話。
確かに、こういうシチュエーションになったらかなり悩みそうではありますよね…。
家を取るか、彼女を取るか、みたいな。
もし、彼女も一緒に付いて来てくれるのであれば言うことなしですが…
彼女は彼女で、仕事も今住んでいる場所も捨てて一緒に田舎に引っ込むっていうのはなかなかハードル高そうではありますよね。
こういう事情でお別れすることになるカップルって一体どのくらいいるのかなぁなんて考えてしまいました。
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☆ゆかりの場合
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若くして結婚・出産をして、主婦をしている女性の話。
夫婦仲は円満だし、子どもも可愛いし幸せ!のはずなんだけど、ふと周りの女性をみてるとバリバリ仕事をしていてうらやましく思ったり。
自分は毎日子育てで自分の時間なんてないのに、彼女たちは自分でお金を稼いで好きなことにお金を使ってる!
私も結婚しないで働いてたら今頃はきっと!!なんて。
もし…の話なんてしたらきっと埒が明かないんでしょうけど、やっぱり隣の芝生は青く見えちゃうんだろうなーなんて思ったお話でした。
ただ、結婚する人を見て「おめでとう!」じゃなくて「おつかれさま」って思ってしまうんだとしたら、だいぶお疲れな感じですよね(^_^;)
なんか、結婚してる人と結婚してない人で馬が合わなくなるってのはこういうことなのかなーってちょっと思いました。