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評価:
上田 早夕里
角川春樹事務所
¥ 660
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【あらすじ】とある洋菓子店に勤める新人の森沢夏織。彼女は、いつものように朝一番にお店に入ったのであったが、お店の様子がいつもと違うことに気がついた。誰もいないはずの厨房で、見知らぬ男が飴細工を作っていたのだ。自分はこの店のシェフだと言う彼の言葉に、夏織は何がなんだかわからなくなってしまうのであったが…。
【感想】
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☆謎の男現る!
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ある日、お店に出社したら、目の前にいた謎の男。
鍵は明らかに自分が開けたし、中に誰かいるなんてありえない!のに、実際に目の前に見知らぬ男がいる!
しかも、その男は、店の制服を来て、ここは自分の店だって言い張ってる!!
なになに?一体どういうこと?パラレルワールドからやってきたSFチックな話?それとも、単に嘘を付いてるだけ??それとも、主人公が知らないだけの新人さん??
正直なところ、よくあるお仕事小説系な話なのかなーって思って読み始めたんですが…
しょっぱなから繰り広げられるこんなミステリアスな展開に一気に引きこまれちゃいました(笑)
こういう続きが気になって読み進められるストーリーっていいですね。
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☆パティシェなお仕事小説
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で、謎の男の正体が気になってどんどん読んでたんですが…
ふつーにお菓子屋さんの日常〜というかちょっとした洋菓子店の裏側の雰囲気も味わえたりしたのでなかなか楽しかったです。
例えば、お店で売ってるスイーツのメニュー。
僕はあんまり洋菓子店に行かないので気づかなかったんですが、かなり頻繁に入れ替えてるんですね。
同じものばっかり売ってるとお客が飽きてしまうから、いつも新製品開発には力を入れて、季節の変わり目だったり、お店をリニューアルした時なんかは大々的にメニューを入れ替える。
スイーツなんて、原材料はほとんど変わらないだろうし、どうやっても似たような味になってしまうような気がしなくもないんですが…
それにも挫けずに、常に新しい製品を生み出してるってのはすごいなーって思いました。
僕は味覚オンチなので、たぶん「チョコレート系のケーキ」とかいったら全部同じ味に思えてしまいそうな気がしなくもないんですが…
お店に並んでるチョコレートケーキの食べ比べとかはちょっとやってみたいですね(笑)