映画と本の備忘ログ

映画・本・テレビなどの個人的な感想などを載せてます。
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読書記録「variety(奥田英朗)」

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【感想】
今まで単行本に収録されなかった短編をまとめて一冊の本にした短編集だそうです。

連作短編集かと思ってたら、全然関係ない話になってたのでなんでだろう?って思ってたんですが、そういうことですか。。。

ただ、普通の短編でも、いろいろな話が詰まっていて面白かったです。

出版社も別々だとほんとお蔵入りしちゃうような作品もあるんでしょうけど…

眠らせておくのはもったいないので、こういうのもどんどん本にしてほしいですねー。


以下、印象的だったお話の感想です。
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☆ドライブ・イン・サマー
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今日は楽しく夫婦でドライブ!のはずが、ヒッチハイクの男を車に乗せたのが最後、

次から次へと謎の同乗者が増えていく…というお話。

まずはヒッチハイクの男。次はバスに乗り遅れたお婆さん。その次は困ってた双子の子供。

…とどんどん同乗者が増えていくんですが…

同乗者が増えていくにつれて、状態がどんどんカオスになっていく感じが楽しかったです。

ラストはどうしてこんなことに!みたいなオチつき。面白かったです!


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☆セブンティーン
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17歳の娘のクリスマス・イブ。

娘はどうやら、彼氏とお泊りするらしい。

母としてはどうすべきか!?というお話。

お年頃の娘を抱えた母と娘も駆け引き、面白かったです。

自分は男なのでわかんないですが、その辺、いろいろ大変そうですよねぇ。

欲を言えば、もうちょっと続きが読みたかったなーと思ったお話でした。

JUGEMテーマ:読書

本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

読書記録「噂の女(奥田英朗)」

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評価:
奥田 英朗
新潮社
¥ 1,620

【感想】
一言では言い表せない艶を持ち、出会った男たちを次々と魅了して止まない、魔性の女・糸井美幸。

そんな彼女の噂をする人たちを描いた短篇集ですね。

よくあるパターンだと、同じ登場人物を、違った人の視点から描くことで、立体感のあるキャラクター像を確立させるような展開がありますが…

この作品の場合、どの人の視点から見ても、「いい人」ってところがなくて、全体的に悪意に満ちた描かれ方だったのが面白かったです(笑)


例えば、男の視点だったらみんながみんな、あの子お前のこと誘惑してるぜ!とか、ちょっとあの子遊びまくってるんだろうなーとか、あの人の愛人なんだって!とかなにやら下衆な会話ばかりで…

逆に女の視点からだったら、他人の男を寝とった嫌な女!とか、なんでもやりかねない怖い女とか、なかなか生々しい評価で。


所詮はみんな「噂話」として描かれているので、実際の彼女がどういう人物だったのかはハッキリとは見えてこないんですが…

どこまでが真実で、どこまでが単なる噂なのかがよくわからないところが、噂話って怖いなーって改めて感じさせてくれた作品でした。。。

そして、彼女が一体何を考えてそういう行動を取ったのか、噂の通りの魔性の女なのか、ってところが、読み終わってからもすっごく気になりました。。。


以下、印象的だったお話の感想です。
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☆中古販売店の女
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クレームを入れにいった車の中古販売店に、昔の同級生が働いていて…というお話。

昔は地味な女の子だったのに、今は華やかで、いかにも遊んでそうな風貌に変化していた彼女。

しかも、自分のことに興味があるようで、じっと見つめてくるし、連絡先を聞いてくるしで…

そんなことされたら男だったら確かに誤解しちゃいそうですね(笑)

ただ、一方でその中古販売店の社長の愛人だという噂もある彼女。

何やら思惑がありそうだと知ったら…なんかちょっと怖いものを感じますね(^_^;)

やっぱり魔性の女には近づかない方がいいよねって思ったお話でした(笑)

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☆マンションの女
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義父が結婚したい!と言っている若い女との結婚話を破談にするため、婿が若い女のマンションに会いに行くというお話。

単純に話をするためだけに相手のマンションに行ったとしても…

そこに待ち受けていたのが、若い女からの誘惑!だったとしたら…かなり戸惑いそうではありますよね(^_^;)

しかも、相手は自分の欲望を抑えきれないような魅惑的な相手だったとしたら。。。


まぁ中には断固として理性を守りきれる男性もいるのでしょうが…

ちょっとしたはずみで魔性の女と一夜を共にしてしまうと、とんでもないことになるなーとぞっとしたお話でした(笑)

その後、どうなっちゃうのか、気になる人は読んでみてください(笑)
JUGEMテーマ:読書

本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「我が家の問題(奥田英朗)」

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評価:
奥田 英朗
集英社
¥ 1,470

 【あらすじ】
新婚ほやほやで、仕事もそれなりにでき、なんの変哲もないサラリーマン田中淳一32歳。ごくごく普通の生活を送っているであろうと思われた淳一であったが、彼には1つだけ悩みごとがあった。家にいるのが落ち着かないのだ。

もちろん、妻とは好きで結婚したわけだし、気が合わないわけでもない。家事もきちんとしてくれるし、料理も毎日凝ったものを作ってくれる。

何が不満なのかと問われれば答えにくいのだが、実は彼は完璧すぎる妻に息苦しさを感じ、一人の時間を持ちたいと感じているのであった…。


【感想】
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☆我が家の問題は人それぞれ
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あらすじに書いた話を始めとする「我が家の問題」を扱った6個の短篇集ですね。

ある家庭では夫が家に帰りたがらなくなり、ある家庭では夫がUFOにはまり、ある家庭では両親が離婚しようとし、ある家庭では夫がお荷物社員であることを妻が知ってしまい、ある家庭では盆と正月の帰省に悩み、ある家庭では妻がランニングに目覚めてしまった…という話です。

探してみれば割とこういう家族っていそうだなーって感じはするんですが、そういうネタを集めてきて、うまくまとめてしまうあたり、さすがだなーって感じました。

伊良部シリーズみたいなアクの強さはないんですが、共感できる部分が多かったりして良かったです。


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☆自分ちがこうなったらどーしよか?
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ちなみに、自分の奥さん(旦那さん)が家に帰りたくないなんて思ってるとしたら…UFOに会いに行くとか言い出したら…仕事ができなくて悩んでいるとしたら…。

こんな「我が家の問題」が自分ちに降りかかってきたとしたら…どう対処しますか??

作中では結構面白おかしく軽いタッチで描かれていたので、重苦しい感じはなくサクサク読めて面白かったんですが、実際にこんな境遇になったらなかなか大変だなーって思いました(^^; 

突然「UFOに会いに行く」なんて言い出したら…確かに頭がおかしくなったとしか思えませんもんね(^^;


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☆帰省の話
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あと、一番共感できたのは新婚さんで、自分の実家と、相手の実家に帰省する話ですね。

血は直接は繋がってないし、相手のこともよく知らないけど、結婚したからには、義父母や義兄弟、義祖父母(?)っていう「義理の家族」は決して避けては通れない。

つまり、めっちゃ社交的な性格でもない限り、居心地の悪い思いをするしかない(笑)


自分は未婚なので、さすがに結婚相手の実家に行くーなんてことはあるわけないんですが、お盆とかお正月とかに、兄弟の奥さんとかが来たりはするので、居心地の悪そうな雰囲気は感じてます。

相手の実家に行くのってなかなか大変ですよねー(^^;

JUGEMテーマ:読書
本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「オリンピックの身代金」

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評価:
奥田 英朗
角川グループパブリッシング
¥ 1,890
Amazonおすすめ度:

 【あらすじ】
時は昭和39年夏。東京オリンピックが開催される夏。
日本は戦争の被害から復興し、オリンピックに沸きかえっていた。
そんな中、東北の田舎から東大へと進学した島崎は
東京のみが発展し、地方の人間は今尚苦しんでいるという
状況に疑問を持ち、また、田舎から出稼ぎに来ていた兄が
奴隷のようにこき使われて死んでいったという事実から
今の国家のあり方について大いに不信感を募らせていた…

【感想】
怒涛の1400枚!と帯に踊っていたのですが、
ページ数もさることながら、内容も非常に濃い内容だったので、
読むのがとても大変でした^^;

当時、僕はまだ生まれていないので、当時この作品で
描かれているような時代だったのかどうかはわからないのですが、
現代とはやっぱり人々のファッションや言葉使いはもちろん
思想や生活環境も全然違っているので、やはり時代は
次々と変化していくものなのかなということを感じました。

特に、東北の田舎での描写は、「昭和」という雰囲気ですらなくて
「明治」とか「大正」とかそっちの方がイメージが合ってそうな
そんな内容だったので、一概に昭和といっても地方の方は
過酷な生活を強いられていて大変だったのかなと思いました。


伊良部シリーズのような、読みやすくて軽めな作品を書く一方、
今作のような全く毛色の違った作品も書いちゃうんですよね。
奥田英朗さんは…。なかなかすごい作家さんだなと思いました。


 

本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「ガール」の感想

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評価:
奥田 英朗
講談社
¥ 1,470
Amazonおすすめ度:
 【あらすじ】
以下の物語を収録した短編集

・ヒロくん
30代半ばで、バリバリのキャリアウーマンの聖子は
その実力が認められ、「課長」へと出世することとなる。
しかし、年齢が上で、かつ女性に偏見を持つ今井が
部下として配属されたことにより、苦労の多い日々を送るのであった・・・

・マンション
30を過ぎ、結婚の予定もないゆかりは、親友のめぐみが
マンションを買ったことにより、激しい衝撃を受ける。
そして、自分もマンションが欲しいと強く思うようになるのだが、
それと同時に会社に対する意識も変わるようになる・・・

・ガール
30を過ぎても「ガール」を続けている由紀子。
「ガール」が大好きな由紀子であったが、年を取るにつれ、
仲間達との間に違和感を感じるようになっていた・・・
そろそろ潮時なのかと思う由紀子だったが・・・

・ワーキングマザー
子持ちのシングルマザーの孝子は、営業部のエースだったが、
結婚を機に残業のない部署に配属されていたが、
希望もあり、元の職場へと戻ってきた。
仕事と子育ての両立を目指す孝子であったが・・・

・ひと回り
入社十年以上経つ容子は、新人教育を担当することになったのだが、
そこに配属されてきたのは、ハンサムな男の子だった。
当然、彼の元には色々な女の子が接近してくるのだが、
それがおもしろくない容子は、いろいろな理由をつけて
新人君を彼女たちと近づけないように嫌がらせをするのだが・・・

【感想】
働くOLさんを主人公にした短編集ですね。
単純に定義するとどれも「働く30代女性」の物語なんですが、
「仕事に生きる女性」だったり、「子育てと両立する女性」だったり、
「ガールであり続ける女性」だったり、それぞれ違った生き方をしている
女性達が主人公で、全然違った展開なので面白かったですね。

男の僕が読んでもかなり面白かったんですが、
同じOLさんが読んだらもっと共感できる部分が多くて
楽しめるのかもしれないですね。

しかし...
なんで奥田さんはこんなに女性視点の物語が上手いんでしょうか^^;
うーん...不思議だ...
本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「家日和」の感想

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評価:
奥田 英朗
集英社
¥ 1,470
Amazonおすすめ度:
 【あらすじ】
家と家族に関する短編集。以下の6編を収録。

・サニーデイ
主婦をしている紀子は、ちょっとしたきっかけでネットオークションをはじめた。
金額こそ大した額ではなかったものの、自分の売ったものが
他人に喜ばれて、感謝されることで、段々と自分の生きがいになっていく。

・ここが青山
会社が倒産したことによって、妻が新たに仕事をはじめ、
自分は家事を担当することになった裕輔。
初めは違和感があったが、家事が自分の天職のように思えてくる。

・家においでよ
妻との別居により一人暮らしになってしまった正春だったが、
これを機会に自由な生活を送ろうと決める。
念願だったオーディオ機器を買い揃えホームシアターを作りはじめる。

・グレープフルーツモンスター
しがない毎日を送っていた博子。だが、在宅で行っていたダイレクトメールの
名前登録の仕事の担当者が変わった日から、日常が変化した。
そう、その担当者がグレープフルーツのモンスターとなって
彼女の夢の中に登場するようになったのだ・・・

・夫とカーテン
夫が突然会社を辞め、起業すると言い出した春代は、しぶしぶながら、
それを認める。しかし、夫の経済状況が不安定になったことで、
春代のクリエータとしての才能が開花されはじめるのであった。

・妻と玄米御飯
妻が「ロハス」に凝ってしまった康夫は、
嫌々ながらロハスな生活を余儀なくされていた。
しかし、そんな生活こそ小説のネタにできるのではないか
と考え小説を書き始める。


【感想】
「家」とか「家庭」とかをテーマにした短編集です。

「家庭」というものは人それぞれで、千差万別だとは思うんですが、
この作品に登場する6つの家庭も、それぞれ独特な家庭が描かれていて
なかなか面白かったです。

トンデモ精神科医の伊良部シリーズみないな「毒」こそないものの、
それぞれの家庭の独特さの部分を上手く引き出していて
グイグイ引きこまれて読んでしまいました。

基本的に短編集は物足りない感じがするのであんまり好きじゃないんですが、
この作品は全然そんな感じはしなくて面白かったですね。
さすが奥田さんって感じでよかったです。




本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「町長選挙」の感想

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評価:
奥田 英朗
文藝春秋
¥ 1,300
Amazonおすすめ度:
【あらすじ】
ちょっと風変わりな精神科医「伊良部」が治療に訪れた患者さんに
奇想天外な治療方法をほどこすトンデモ精神科医伊良部シリーズ第三弾。
以下の4つの短編を収録
・オーナー
・アンポンマン
・カリスマ稼業
・町長選挙

【感想】
最初の3つは、それぞれ、「死を恐れる老人」「若年性痴呆症」
「老化恐怖症」の患者さんたちと、伊良部の話を描いてるんですが、
なんか設定がちょっとリアルで、それぞれ有名人の方をモデルに
描いていたようなので、風刺が効いていて面白かったです。

(某さんというのは、新聞社のオーナーで野球リーグの統合とか言ってた方と
企業買収を繰り返してIT業界の風雲児としてもてはやされたあの方ですね。
最後の3人目は誰がモデルなのかはちょっと確定できないんですが、
宝塚出身でいつまでも若々しいあの方がモデルなんでしょうかね?)

ただ、このシリーズさすがに3作目ともなると、ちょっとマンネリ感が
漂ってくるのも仕方がないところなんでしょうかね…。
ちょっと変わった患者さんに、主人公の伊良部先生が、
無茶苦茶な治療を行って、最終的にはうまくいく…といった展開なので、
ある意味ワンパターンな展開で、どれも似たような感じですしね。

一応タイトルにもなっている「町長選挙」だけは
ちょっと雰囲気が異なった内容になっているんですが
(伊良部先生が派遣されてきた島で、島を二分する町長選挙が
繰り広げられ、伊良部先生もその選挙に巻き込まれるって話です)
やっぱりこれもちょっと物足りない感じでした。
(伊良部先生が立候補しちゃうのかと思ってたんですが、
そういうわけではなかったんですね^^;)

決してつまらないわけではないんですが、
1作目から読んできた身からすると、ちょっとインパクトが
弱くなってきているので物足りない感じがしてしまいますね〜。

本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「ララピポ」の感想

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評価:
奥田 英朗
幻冬舎
¥ 630
Amazonおすすめ度:
【あらすじ】
上の階の住民をを盗み聞きし、スケベな行為に耽る男。
●●嬢の勧誘をし、女には不自由しない男。
日常に不満を感じ、ビデオに出演するようになった主婦。
弱みを握られ、自分の勤めるカラオケボックスを●●にしてしまった男。
女子高生と遊ぶ官能小説作家。
誘惑した男との行為を録画してお金を稼ぐ女。
こんなちょっぴり(かなり?)変な人々が登場する短編集。

【感想】
思ってたより過激なシーンが多かったんですが、想像以上に面白かったです。
(あ、エロいシーンが面白かったという意味ではないですよ?(笑))
官能小説じゃないのに、こういう内容で読者を楽しませるのって
なかなか難しいとは思うんですが、あっさりクリアしちゃっててすごいですね。
むしろ普通の小説よりも面白いかもしれないです。

雰囲気としては、エロシーンはもちろん多いんですが、
登場人物の明るさと馬鹿さ加減でものすごくコメディタッチに
なっていてすごく笑えて面白いです。

あと、この作品に登場する6人の主人公達。
それぞれの話ごとに分かれてたりするんですが、その6人の
人間関係のリンクのされ具合がすごく上手くて面白かったですね。

ちょっと例を挙げると、1話の男は、上の階に越してきた
イケメンの行為を盗み聴きしてるわけなんですが、
その上に越してきたのが、2話の主人公のスカウトマンなんですね。
で、ほぼ同じ時間軸で物語が進んでいくので、1話では盗み聞きで
ちょっとしか聞こえなかった会話の部分が2話ではすべて明らかになったり、
1話で連れ込まれていた女の子がどんな子なのかっていうのが、
2話の物語の中で明らかになったりするわけなのです。
(1話で妄想を働かせて2話で真実を知る。なかなかニクい演出です(笑))
こんなリンクが6話まで続いていくので、面白いなぁって思いました。

あと、これ…映画化されるらしいですが…すごいですね^^;
物語の大部分を過激な部分が占めているので
どうやって映像化するんだろうって思ってしまうのですが…。

まぁ内容が内容なだけに万人にオススメはできないかと思います。
ただ、直木賞作家がこういう作品を書くってのはすごいですねぇ。
本 【奥田 英朗】 | comments(0) | -

小説「サウスバウンド」の感想

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評価:
奥田 英朗
角川書店
¥ 580
Amazonおすすめ度:
元過激派な父とその家族を描いた作品。

映画の方を先に見てたんですが…
こっちの方が無茶苦茶ぶりが際立ってる気がしますね…。

父親に全く共感できなかったので、
正直面白いとは思えなかったです^^;
本 【奥田 英朗】 | comments(2) | -

小説「空中ブランコ」の感想

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評価:
奥田 英朗
文藝春秋
¥ 1,300
(2004-04-24)
Amazonランキング: 1382位
Amazonおすすめ度:
インザプールの続編。
ちょっと変な精神科医の伊良部とその患者さんたちの物語。
患者さんごとの短編集になってます。

○空中ブランコ
サーカス団の空中ブランコを担当する役者さんが、
ある日以降、空中ブランコが成功しなくなってしまうお話。
仕事に対する考え方とか人の接し方とか、
なんか諭されてるような気分になりました。。。
うまくいかない原因を勝手に決め付けて、
真実が見えなくなっている…ってのはけっこうありそうですね。

○ハリネズミ
尖ったものを見るのが苦痛になってしまったヤクザのお話。
自分を偽って強がって孤独に生きる…
そんな生き方よりは、自然に生きるのがいいですね。

○義父のヅラ
上司でもある義父のヅラを取りたくて取りたくてたまらない教授のお話。
欲求不満はあんまりためないほうがいいってことでしょうか。
でもこの解決方法はオーバーすぎで笑えました。
伊良部先生最高!(笑)近くにいたら嫌だけど…。

○ホットコーナー
うまくボールが投げられなくなってしまった野球選手のお話。
自分より出来のいい人に対する嫉妬ってのは誰にでもありそう。
でもその分解決は難しい…か。

○女流作家
脅迫観念にとらわれてしまった女流作家のお話。
「売れる」ために、自分の書きたい本ではなく、「売れる」本を書き続ける。
書きたい本だと売れないから。
自分のやりたいことをして生きるか、
やりたくないことでも仕事と割り切って生きるか。
なんかそんな問いかけをされているような気分でした。
また、最後の看護婦マユミのセリフにはグッきました。
「言葉」ってのは重要ですね。


5編とも仕事関係の悩みだったので、割と共感できました。
前作よりはハチャメチャ度は下がってる感じはしますが、
なんかその分、奥が深くなっているというか、
訴えてくるものが強くなってる気がしますね。これ。
面白かったです。
本 【奥田 英朗】 | comments(0) | trackbacks(0)
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