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【感想】
今まで単行本に収録されなかった短編をまとめて一冊の本にした短編集だそうです。
連作短編集かと思ってたら、全然関係ない話になってたのでなんでだろう?って思ってたんですが、そういうことですか。。。
ただ、普通の短編でも、いろいろな話が詰まっていて面白かったです。
出版社も別々だとほんとお蔵入りしちゃうような作品もあるんでしょうけど…
眠らせておくのはもったいないので、こういうのもどんどん本にしてほしいですねー。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆ドライブ・イン・サマー
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今日は楽しく夫婦でドライブ!のはずが、ヒッチハイクの男を車に乗せたのが最後、
次から次へと謎の同乗者が増えていく…というお話。
まずはヒッチハイクの男。次はバスに乗り遅れたお婆さん。その次は困ってた双子の子供。
…とどんどん同乗者が増えていくんですが…
同乗者が増えていくにつれて、状態がどんどんカオスになっていく感じが楽しかったです。
ラストはどうしてこんなことに!みたいなオチつき。面白かったです!
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☆セブンティーン
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17歳の娘のクリスマス・イブ。
娘はどうやら、彼氏とお泊りするらしい。
母としてはどうすべきか!?というお話。
お年頃の娘を抱えた母と娘も駆け引き、面白かったです。
自分は男なのでわかんないですが、その辺、いろいろ大変そうですよねぇ。
欲を言えば、もうちょっと続きが読みたかったなーと思ったお話でした。
JUGEMテーマ:読書
【あらすじ】
時は昭和39年夏。東京オリンピックが開催される夏。
日本は戦争の被害から復興し、オリンピックに沸きかえっていた。
そんな中、東北の田舎から東大へと進学した島崎は
東京のみが発展し、地方の人間は今尚苦しんでいるという
状況に疑問を持ち、また、田舎から出稼ぎに来ていた兄が
奴隷のようにこき使われて死んでいったという事実から
今の国家のあり方について大いに不信感を募らせていた…
【感想】
怒涛の1400枚!と帯に踊っていたのですが、
ページ数もさることながら、内容も非常に濃い内容だったので、
読むのがとても大変でした^^;
当時、僕はまだ生まれていないので、当時この作品で
描かれているような時代だったのかどうかはわからないのですが、
現代とはやっぱり人々のファッションや言葉使いはもちろん
思想や生活環境も全然違っているので、やはり時代は
次々と変化していくものなのかなということを感じました。
特に、東北の田舎での描写は、「昭和」という雰囲気ですらなくて
「明治」とか「大正」とかそっちの方がイメージが合ってそうな
そんな内容だったので、一概に昭和といっても地方の方は
過酷な生活を強いられていて大変だったのかなと思いました。
伊良部シリーズのような、読みやすくて軽めな作品を書く一方、
今作のような全く毛色の違った作品も書いちゃうんですよね。
奥田英朗さんは…。なかなかすごい作家さんだなと思いました。