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評価:
綾辻 行人
角川書店
¥ 1,575
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【あらすじ】
とある中学の関係者が次々に謎の死を遂げるというあの事件が起こったあの夏。関係者のひとりである見崎鳴は、家族で訪れた別荘で、不思議な体験をしていた。それは、死んだはずの人間、すなわち「幽霊」に鳴は会ったというのだ。確かに自分は死んだはずなのに、葬式もあげてもらえず、死体もどこかに隠されてしまったと言い張る彼。そんな彼とのエピソードを鳴は語り始めるのであったが…。
【感想】
映画化もされた「Another」のスピンオフ作品ですね。
大量の死人が出た「Another」の事件の夏、見崎鳴が体験した不思議な出来事を描いた作品になっています。
で、実は僕、「Another」の大ファンで、かなーりワクワクドキドキして読んだ記憶があるので、この作品も似たような系統のお話なのかなーと思って結構期待して読んでしまったんですが…
あっちの作品と比べてしまうと、だいぶ見劣りした内容になってますね(^_^;)
あっちは、謎が謎を呼ぶような、ハラハラ・ドキドキの展開で、いったいどうなっちゃうの!?ってな感じで目が話せなかったんですが…
こちらは、幽霊の正体はちょっと気になるものの、さほど盛り上がる感じでもなく、なんか淡々としちゃった感じで。
肝心のどんでん返しの部分も、正直なところ、なんだかなぁといった感じでちょっと微妙な感じで。
「Another」ばりの面白さを期待してしまったのがいけないんだとは思いますが、ちょっと期待はずれ感が強くなってしまった作品でした(^_^;)
ただ、良かったなーって思えたのは、ラストの意味深な終わり方な部分ですかね?
あんなことになってしまった某人が、その後どうなっていくのか、たぶん続編で描かれるんだとは思いますが、そこんところが気になりました。
続編こそは「Another」レベルの作品であることを期待して、気長に待ってみることにします(笑)
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☆幽霊になるってどんな気分なんだろー
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ちなみに、この作品、謎の死を遂げてしまった「幽霊」が主人公っぽかったりするんですが…
「幽霊」になって生きていく(?)っていうのがなかなか寂しそうだなーってのを感じました。
まぁ幽霊なので、基本誰にも見えない(?)わけですからねー。
誰かと話をしたくても、相手には自分の姿は見えないし、自分の声は聞こえない。
成仏したいと願っても、何故か家族はお葬式もあげてくれない。。。
まぁ盛大なお葬式は望まないですが、「死んだ」という事実さえ無視されてしまうような死に方だけはしたくないですねぇ。。。
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☆注意事項
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あと、ちょっと注意事項なんですが…
この作品は「Another」のスピンオフ作品なので、「Another」未読な方は読まないでください(笑)
「Another」のネタバレがちらほらと出てきちゃってますよん。
逆に言えば、あの人とこの人にこんな因果関係が!みたいな見方もできるので、その辺も掘り下げてみるとちょっとおもしろいかもしれないですね。