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評価:
貫井 徳郎
東京創元社
¥ 735
Amazonおすすめ度:
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【あらすじ】
エリートサラリーマンの夫・美人の主婦、そして娘と息子の4人家族という
ごく普通の家庭に何者かが押し入り、一家4人をメッタ刺しにして
殺害するという事件が発生した。
事件の真相を追究する為、事件関係者に次々とインタビューをしてみるのだが…
【感想】
色んな人にインタビューをすることによって、事件の被害者、そして
事件の真相が段々と見えてくるようなタイプの推理小説ですね。
まぁ人間誰しも好き嫌いがあるので、人によって、その人物の印象っていうのは
大分変わってきてしまうのは割と当たり前なのかもしれませんが、
どんな人なのかを知るには、複数の人の話を総合的に聞いてみて判断しないと
全然実態とは異なる人物像が浮かんできてしまうんだなというのを感じました。
「いい人」「悪い人」の基準は人によって違うだろうし、
どれだけ親しいかによっても、印象は違ってくると思いますしね。
また、この本の中には会社の中で、あいつはどこどこ大学卒だから…
といって、母校によって差別をする学閥だとか、
大学でも、小学・中学からのエスカレーター組と、入試合格の外部組で
差別していたりだとかいう話が出てくるんですが、
そういうのはなんか怖いなって思いました。
大手企業とか一流大学ではそういうのは当たり前なんでしょうかね^^;
僕は全く縁のない世界ですが…。
「実家が名家」「大企業の社員(又は、その妻)」「一流大学卒」
「美人(又は、その配偶者がいる)」「年収が多い」「子供がいる」
のがいわゆる勝ち組の家庭で、それ以外は負け組。
なんかそんなコンプレックスがひしひしと伝わってくる一冊でした。
そんな世の中なんか嫌ですよね。
そういうコンプレックスを抱えている人は多いかと思いますが…。