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【あらすじ】
昭和36年。小学校の用務員として働いていた大島吾郎は、ある日、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、学習塾を立ち上げることを決意する。だが、その道は当然容易なものではなく…
【感想】
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☆塾の歴史
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「教育」に命を掛けた一族の物語ですね。
開始は昭和36年。とある一組の男女の出会いから物語はスタートするので
最初の方を読んだだけだと、昭和の古き良きノスタルジックな時代を描いたお話なのかなーって思ってたんですが…
時代がどんどんずんずん流れていくのが読んでてすごく面白かったです。
若かった2人の男女はやがて父と母となり、娘たちが生まれ、娘達もやがて少女に、そして大人になっていく。
親は他界し、自分たちはやがて年老いて、娘達も結婚して孫が産まれる。
そして、孫たちもやがてすくすくと育ち、自分たちはいつのまにか天寿を全うするような年齢に。
時代ももちろん、戦後の高度成長期のベビーブーム、受験戦争を経て、ゆとり教育、ゆとり廃止などなど
それぞれの時代の変化が感じられる物語構成になっていて非常に興味深く読めました。
昭和から平成にかけてのとある塾講師の半生記。
ほんと読み応えたっぷりで面白かったです!
全467ページとかなーりボリュームあるんですが、おすすめです!
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☆割りと近くなので…
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あと、個人的な話なんですが、舞台が千葉ということで、身近な地域がいっぱい出てきて楽しく読めました。
八千代に船橋に津田沼!
たぶん千葉県人以外にはあんまり馴染みのない地名もたくさん出てくるんですが…
千葉県民からすると、知ってる地名がたくさんでてくるのですっごく身近な感覚で読めました。
あのあたり、今はこんなんだけど、昔はどうだったのかなーなんて想像して読むのも楽しかったです。
まぁ地元民ならではってところではありますが、なかなか楽しい読み方ができた一冊でした。
JUGEMテーマ:読書
【あらすじ】
次々と家族を亡くしてしまい、天涯孤独の身となってしまった環。
彼女はある日、自転車屋さんと仲良くなり、とある自転車を譲り受ける。
乗り心地もよくお気に入りの自転車となったのだが、
ある日、その自転車は暴走を始め、彼女を意外な所へ連れて行く。
なんと、そこは、死んだはずの両親や弟、叔母がいる世界だった。
感激する環だったが、本来は自転車ではなく、走ってくる場所だという。
両親や弟、叔母にこれからも会うために、環はマラソンを始めるのだが…。
【感想】
「ラン」というタイトルから、マラソンとか
そういうスポーツの話なんだろうという想像は
していたのですが、まさかそれを始める動機が
亡くなった人に会うためっていうのは想像外でした。
マラソンの部分だけでも、変なコーチやら、天敵のおばさん、
病弱な少女に小太りな大学生など個性豊かな登場人物が多くて、
それだけでも充分小説として面白かったと思うのに、
それに加えて、自転車のエピソードとか
亡くなった家族のエピソードとかが加わっていて、
すごく独特の世界観が出来上がっているので、面白かったです。
しかし、自転車に乗って(あるいは走っていって)
亡くなった人の世界に遊びにいけるっていう設定はすごいですね。
普通の小説だと思って読んでいたので、こういう展開なのは驚きでした。
なかなかこういうユニークな設定は思いつかないですよね。
また、個性豊かな登場人物が印象的で、続編も作りやすそうな
感じがするので、ぜひ続編も書いて欲しいなって思います。
評価:
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