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評価:
井上 夢人
講談社
¥ 800
Amazonおすすめ度:
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【あらすじ】
作家・藤井陽造は自らの体をセメントで固めるという衝撃的な方法で自殺を遂げる。
そして、その傍には、「メドゥサを見た」という謎の文章が添えられていた。
その事件の真実を探るため、主人公は調査を始めることにするが、
彼もまた、不可解な現象に襲われるようになる…。
【感想】
メドゥサ…髪の毛が蛇で目を見ると、見たものは石になってしまうという
女の怪物(?)なんですが…その話を上手い具合に絡ませてますね。
物語の途中で、メドゥサがどうして怪物になってしまったのかという
神話(?)の部分も登場するんですが、その神話は知らなかったので、
興味深くて面白かったです。
(女神アテナに嫉妬された女性が、アテナによって怪物にさせられ、
その後、怪物として人間のペルセウスに退治させられてしまうという
意外と可哀想な女性の話だったんですね^^;)
また、物語自体は自殺の真相を探る…と言った部分から始まるので、
ミステリっぽい展開ですが、この本はホラー小説なので、
最後までに謎がすべて解決したりはしません。
(一応自殺した間接的な原因は判明したりするんですが)
でも、ホラーとしての魅力は溢れているので、続きが気になって
けっこう最後まで一気読みできるんじゃないかと思います。
次から次へと怪奇現象が発生し、遺書に残されていた「メドゥサ」の
真実を知ったときはけっこう衝撃的でした。
ただ、後半からラストにかけては、
やや物語自体が支離滅裂になりつつあるような気がしなくもないですね^^;
正直つじつまがあってるのかどうかもよくわかりません。
(僕の理解力が乏しいだけなのかもしれませんが)
色々手を広げすぎて収拾がつかなくなって無理矢理終わらせた感じが
しなくもないんですが…まぁホラーなので、こういうのもありかなとも思います。
個人的にはすごく面白かったので★★★★★って感じですね。