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評価:
加納 朋子
文藝春秋
¥ 1,782
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【感想】
「てるてるあした」などの作品の著者である加納朋子さんが体験した、白血病との闘病記をまとめたノンフィクション作品ですね。
無事に退院されて、執筆活動も再開されていたので、きっとそこまで酷い状態ではなかったんだろうなぁーなんて、ちょっと甘い考えを持って読んでしまったんですが…
ここに記録された生々しい体験談に、絶句してしまいました。。。
病院生活は余儀なくされるものの、ある程度の日常生活はできるんだろうなーなんて思ってたんですが…
どんどん痩せていくし、美味しいものは食べられないし、髪の毛は抜けていくし、熱や吐き気は日常的にあるしで大変だったんですね。。。
下手をすれば、いつ死んでもおかしくない病気。
無事に回復されたのは、ほんとなによりだなって感じではあるんですが、白血病の大変さ、なんだかよくわかりました。。。
普通の生活ができるってことのありがたさ、こういうのを読んじゃうとほんと感じちゃいますね。
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☆家族ってすごいなー
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で、一番感じたのは、加納さん、家族にすごく愛されてるなーってことですね。
病気が発覚してから、いつでもどこでも付き添ってくれただんなさま。
骨髄移植が必要となれば、自分が自分が!とばかりに、危険を顧みずに検査を受けてくれた姉弟たち。
そして、年がら年中お見舞いを持参して、面会にやってくる、義母に父に姉弟妹に子供たち。
病気で倒れて、自分では何にもできなくなってしまったとしても…
自分のために必死になっていろいろやってくれる家族がいたとしたらすごく助かりますよね。。。
そして、なによりも、がんばろう!って励みになりますよね。。。
家族に恵まれなくて、こういう病気にかかってしまった人って、きっとものすごく辛いだろうなぁ、なんて、そう思ってしまいました。。。
(もちろん、加納さんは辛くなかったっていいたいわけではないですが…)
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☆ささやかな楽しみが
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あと、感じたのは、辛い日々の中でも楽しみを見つけてるところがいいなって思いました。
今日は大好きなあの漫画の新刊の発売日!楽しみー!とか、妹から借りた漫画の全巻読み終わって楽しかったー!とか、楽しみにしてたあのアニメがやっと見れるー!とか。
苦しい日常の中での、ほんの些細な幸せ!って感じだとは思うんですが、自分はもうだめだー!なんて暗くなるんじゃなくて、ポジティブに、闘病生活を楽しくしようとしてるのが、加納さんすごいなって思いました。
普通の人だったら、私死んじゃうんだ。。。でメチャクチャ暗くなりそうですよね(^_^;)