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【感想】
縁結びの神様である主人公が、神の力を使って、人間たちの願い事を叶えてあげるというお話。
ワンパターンな展開かなーと思いきや…
意外とバリエーション豊かな展開に持っていっていたのでなかなか面白かったです。
願い事を叶えてあげたからって幸せになるとは限らない…なんか深いですね。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆はじめの一歩
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慎重で何事にも一歩をなかなか踏み出せない男性のお話。
慎重が故に、彼女との関係もいまいち進展せずな感じだったんですが…
神様の力で、性格がちょっと変わっちゃうのが面白かったです。
一番シンプルでオーソドックスなお話だったんですが、
ハッピーエンドなコメディ風味な展開が好きなお話でした。
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☆当たり屋
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一定の回数だけ、「当たり」に出会えることができるようになった男性のお話。
もちろん、宝くじでも馬券でも「大当たり」
この能力を使えばお金なんて簡単にたくさん当てられちゃう!
でも確かに、そんなに簡単にお金を当てられるようになっちゃったら…
それはそれでなんか人生虚しくなりそうではありますよね。。。
彼がどんな人生を選ぶのか、ちょっと興味深いお話ではありました。
JUGEMテーマ:読書
【あらすじ】
作家になるという夢を抱きつつ、雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしている九朔満大。彼は、ある日、いつもの通り管理人の仕事をしていたのであったが、全身黒ずくめの謎のカラス女が現れ…
【感想】
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☆途中まではよかった…かな?
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テナントビルの管理人をしながら作家を目指していた主人公に、ある日、平凡でない日常が訪れる…というお話。
最初のうちは、なんだか一癖も二癖もありそうな「九朔家」の人々に興味を惹かれつつ…
テナントとして入っている店子たちも、なかなか個性豊かっぽくて今後の展開に期待しつつ…
さらには、なんだかわけのわからない展開になりはじめて、中盤まではワクワクして読んでたんですが…
なんだろう、中盤以降、わけのわからない感がエスカレートして行ってしまって
読者を置いてきぼりにしたまま終わってしまったような気がしたので読んでてモヤモヤしました。。。
現代を舞台にしつつも、「バベル」という異物を取り込んで、ファンタジー色を強くしてるのはいいと思うんですけどね。。。
なんだかちょっと残念な作品でした。。。
鴨川ホルモーとか鹿男あをによしとかそういった系統の方が好きだったので、
そっち風な作品をまた書いて欲しいなーと思ってしまった作品でした。。。
JUGEMテーマ:読書
【感想】
中国の古典を題材にした「悟浄出立」「趙雲西航」「虞姫寂静」「法家孤憤」「父司馬遷」の5つを含んだ短編集。
おそらく、最初の「悟浄出立」は、西遊記の「沙悟浄」が出てくる話なので、馴染みのある感じで読めると思うんですが…
他の4編はそこまで有名じゃないので、馴染みがないとちょっとわかりにくいかもしれないですね。
個人的には、三國志は好きなので、三國志の「趙雲」が出てくる「趙雲西航」も興味深く読めました。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆虞姫寂静
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虞美人草の由来になった(?)虞美人のお話ですね。
…って自分、それくらいしか知識がなくて、虞美人って何時の時代の人で、何をしたのかまったく知らなかったので興味深く読めました。
時代としては秦の時代の末期、項羽と劉邦の時代に出てくる人だったんですね。
そして、項羽の愛人だった女性だとか。
項羽が四方敵に囲まれて、周りから故郷・楚の歌が聞こえてくる…という四面楚歌の状態の話も出てきて勉強になりました。。。
自分から敢えてそんな時代の小説とか読む気にはならないので、この本に載っててよかったなーと思ったお話でした。
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☆父司馬遷
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史記を書いた司馬遷のお話ですね。
こちらも、歴史の教科書では習った記憶があるものの、なんかどういう人なのかイマイチよくわからなかったんですが…
さくっと偉大な歴史書を書いたわけではなくて、苦労を重ねて史記を書いたんだなーとわかったのがよかったなって思いました。
歴史上の登場人物、名前だけは知ってるものの、どんな人かってよくわからない人って多いので
こういう風に小説にしてもらえると理解しやすいので、こういうのもうちょっと読みたいなーと思ったお話でした。
JUGEMテーマ:読書
【あらすじ】
会計検査院という、特殊な役所に勤めている、松平、鳥居、旭の3人は、
大阪にある団体の会計検査を行う為に大阪にやってきたのだったが、
そのうちの1つである「OJO」という謎の団体とは連絡が取れず、
訪れてみても、誰もいないという有様であった。
結局、スケジュールの都合上、鳥居と旭は東京へ戻り、松平のみが
引き続き調査を行うことになったのだが、ある日、「OJO」の代表者から
松平と面会できるという連絡が入る。
そして、松平は、再度「OJO」を訪れることとなるのだが、
彼はそこで衝撃的な事実を知るのであった…。
【感想】
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」と独特な世界観を持つ著者の最新作です。
「鴨川ホルモー」では京都、「鹿男あをによし」では奈良が舞台で、
どちらも奇想天外な世界観を構築してくれていたのですが、
今作でも、大阪を舞台に壮大なマキメワールドを展開しています。
まさか、大阪●の●に●●●●があるなんて!
まさか、大阪●という●●●●が存在しているなんて!
と驚くような、ユニークな設定を今作でも展開してくれています。
(かなりネタバレになるので、とりあえず伏せておきます)
ただ、「ホルモー」と「鹿男」はやや神話がかった物語で、
オニが出てきたり、鹿が喋ったりと和風ファンタジーっぽい要素が
けっこう強かったんですが、今作は、キーワードが
「トヨトミ」という実在した歴史上の人物で、想像上の生き物も
出てこないので、より現実に近い感じがします。
また、物語のハチャメチャ度というか無茶苦茶ぶりは、今作の方が
ややトーンダウンしている印象を感じてしまいました。
マキメワールドはそのままマキメワールドな感じなんですが、
もっと滅茶苦茶なノリでもよかったような気がします。
あと、なんとなくなんですが、テンポが今までのより悪い気がします。
ストーリーが緻密に練られている感じはするんですが、
なんか展開が遅いような気がするんですよね…。
登場人物はそれぞれ魅力的だし(特に旭さんのキャラクターが)
最後の終章の部分はすごく面白くてよかっただけに、
なんかちょっと残念です。
個人的には、やっぱり鹿男の方が好きですね…。