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評価:
乾 くるみ
角川春樹事務所
¥ 1,620
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【感想】
乾くるみさんが送る、「7」をテーマにした短篇集ですね。
ジャンルとしては、ミステリーありの、SFありの、恋愛もの(?)ありので、バラエティに富んでいたんですが…
なかなか読み応えがあるものが揃っていたので楽しめました。
若干話を理解するのが難しかった話もありましたが、まぁそれも一興ですかねー。
以下、印象的だった短編の感想です。
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☆ラッキーセブン
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女子高生たちが、「死のゲーム」を繰り広げるというお話。
話がややこしいので、ルールは割愛しますが…
最近カードゲームとかよくやってる自分からするとなかなか興味深いテーマでした。
自分はこのカードを持っていて、残りのカードはあれとあれとあれだから、おそらくあれを出せば勝てるはず!
でも、相手がこう考えたならこれを出したら負けで、そう考えると、こっちを出せば勝てるはず!
とかとか、相手の裏の裏の裏をかいて…なんてややこしいやりとりが難しかったです(笑)
文章でルールとかを理解するのって難しいですね(^_^;)
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☆TLP49
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自分に命の危険が訪れると、「7分後」「14分後」「21分後」「28分後」「35分後」「42分後」「49分後」の時間が入れ替わって自分に訪れる、というお話。
例えば、突然21分後の未来に飛んだかと思えば、お次は42分後で、その次は7分後で…っていうような感じで。
「今現在」は何も起こってないのに、「21分後」は何者かに追われて逃げていたり、「7分後」だと何かの兆候が現れていたり。
未来の自分は何故逃げているのか?
一体何が起こったのか?
未来の自分を無事に逃がすためには、その前の自分は何をすればいいのか?
ちょっとしたパズルを解いているような、なかなか楽しい作品でした。
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☆木曜の女
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月火水木金土日、それぞれに別の女の元を訪れる、プレイボーイのお話。
ある曜日は清楚なお嬢様。またある曜日は強気な女王様。またある曜日は自分に尽くしてくれる愛しい女の子。
こんなに女の子とっかえひっかえでよく疲れないなーと思って読んでたんですが…
ラストは意外な終わり方だったのがちょっとビックリでした。
乾くるみさんらしい終わり方と言えばらしい終わり方なのかもーと思った作品でした。