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【あらすじ】
マスコミの仕事をしている末永純一は、ある日、
家に戻ると、家が警察官に包囲されていることに気づく。
何事があったのかと驚く末永であったが、
なんと、自宅が猟銃を持った強盗に占拠され、
妻が人質に取られているという。
なんとかしたい末永は苦肉の策を思いつくのだが…
【感想】
北村薫さんの作品はけっこう暖かい感じの作品が多い気が
するのですが、この作品にはけっこうダークな登場人物が
登場しているので、その点は驚きでした。
ただ、この登場人物、なんでそんな行為に及んでいたのか
という人物描写の部分がほとんどなく、ホラー小説の中に
でも出てくるかのような異様さを持ち合わせた性格の
キャラクターになってしまっていたので、その辺も
もうちょっと描いてくれていたらよかったかなと思います。
ストーリーの部分に関しては、本格的なミステリになっていて、
ラストには衝撃の事実が明らかになったりするんですが、
物語としての本当の結末はわからないまま終わっているので
こちらもなんかちょっと残念な感じです。
ミステリとしての謎解きの部分は無事に終わっているので、
その部分に関しては消化不良ってわけではないのですが、
物語のクライマックスの部分が抜けてしまっていて、
エピローグに突入してしまっているのは、なんか
ちょっとモヤモヤ感が残ってしまいますね…。