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【感想】
トンガを舞台にした、湊かなえさんの連作短編集ですね。
タイトルの「絶唱」の意味がわからず、悲鳴でも上げてるのかと思ったので(それは絶叫ですね(^_^;))
イヤミス系なのかなーと思ってたんですが、意外とそんな感じでもない感じでしたね。
ただ、登場人物たちのベースに「地震」があるようなので、若干重い雰囲気だなーって感じたお話でした。。。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆楽園
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地震で双子の姉妹を亡くしてしまった女性の話。
ある日突然トンガにある「楽園」に行きたくなって、誰にも告げずに行ってしまうんですが…
いろんなものに縛られて、「本当の自分」を出せない日々日常に嫌気がさしたのなら
誰も知ってる人がいない異国の地に行けば「本当の自分」になれるって思う気持ちもわからなくはないですね。。。
まぁこの主人公の場合はかなり特殊な事情を抱えていたってのもあるんですが…
誰にも告げずに突然いなくなられると、周りの人間は非情に心配するので、迷惑な話だよなーと思ってしまったお話でした。。。
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☆絶唱
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震災時の行動に後悔している女性の話。
なんとか自分は生き残ったものの、やっぱり当時被災地に住んでいたとしたら、身近な人が亡くなっていてもおかしくないですよね。
で、自分は生き残ったのにあの子は死んでしまった、あの時ああしていれば…みたいな後悔したり。
生き残ったことは素晴らしいことだし、自分を責める必要はまったくないんだろうけれども…
まるで罰を受けなければならないかのように生きていかなければならないってのはなんかつらいなぁって感じたお話でした。
あと、偽善ってわけではないんだろうけど、直接被災したわけじゃない人たちが、被災者はこうだからこうするべき!みたいに勝手に決めつけるのもどうかと思っちゃいますね。。。
いらない千羽鶴ともらって喜んだり、いらない心のケアなんて受けたくはないですよね。やっぱり。
(まぁそれで救われる人もいないことはないんでしょうけど…)