映画と本の備忘ログ

映画・本・テレビなどの個人的な感想などを載せてます。
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読書記録「人生ベストテン(角田光代)」

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【感想】
日常生活における、ちょっとした「出会い」をテーマにした短編集…なのかな。

普段意識していなければ、数日も経てば忘れてしまうような人たち。

そんな人たちでも、それぞれの人生があって、違った毎日を送ってるんだなーと、そんなことを考えてしまった作品集でした。


以下、印象的だった短編の感想です。
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☆床下の日常
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床下の配管工事を担当している業者で働く青年のお話。

普段はあんまり接点のないお仕事の人たちですが、いざ「水漏れ!」となったら駆けつけてくれる頼もしい(?)人たち。

でも、数日も経てば、どんな人が来てたかなんて、すっかり完全に忘れちゃいますよねぇ。。

そんな彼らが、普段、お客のことをどんな風に思って仕事をしてるのか。

そんなところがちょっと垣間見える面白いお話でした。

親切なお客さんもいるだろうし、素っ気ないお客さんもいるだろうし、ちょっと変わったお客さんもいる。

毎日違ったお宅を訪ねていくのもなんかちょっとおもしろそうだなーと思いました(笑)

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☆観光旅行
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海外の旅行先で出会った母娘のお話。

旅先で出会った人との出会いはまさしく「一期一会」!って感じがしますが…

一緒にいて楽しい人ならともかく、うざい人だったりするとなんかせっかくの旅行が台無しになっちゃいますね。。。

一緒にいても何故か愚痴ばっかりでちっとも楽しそうじゃない母親。

そんな母親と喧嘩してばかりの娘。

こんなふたりとは一緒にいたくないのに、何故か宿泊先も観光先も同じになってしまう主人公。

まぁ一緒にいるときは楽しくなさそうだけど、過ぎ去ってみればいい思い出、と思えるようになるのかなー、ともちょっと思えたお話でした。

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☆テラスでお茶を
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引越し先を決めるために、いろいろ案内してもらった不動産屋さんのお話。

そもそも全くの他人なのに、一緒の車に乗って、いろんなお部屋を一緒に見てまわるふたり。

別段、それほどカッコいいわけでもないんだけれども…

一緒に回ってるうちに、何故か彼が同棲相手で、彼と一緒に部屋を探してるような錯覚に陥ってくる主人公(笑)

まぁ部屋が決まって契約してしまえば、もう彼に会うことはほとんどないんでしょうが…

一緒に探してるときは、なんか「同士」って感じがしてくる気持ち、ちょっとわかりました(笑)
 
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本 【角田 光代】 | comments(0) | -

読書記録「福袋(角田光代)」

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評価:
角田 光代
河出書房新社
¥ 616

【感想】
自分の心や人生の「ブラックボックス」をあけてしまった人々を描いた連作短編集だそうです。

「福袋」というタイトルから、もっとハッピーな感じの短篇集なのかなーと思って読んでみたら…

意外とダーク(?)な面もかいま見られてシュールでした(笑)

若干どれも途中で終わってるような気がするのでちょっとモヤモヤするんですが…

まぁそんなに気負わずに読んでみるのがいい短篇集かもしれませんね。


以下、印象的だった短篇の感想です。
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☆箱おばさん
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駅前のお店に勤める主人公のもとに、突然やってきて、謎の箱を置いていなくなった謎のおばさん。

箱の中身も、いつ戻るのかもはっきり言わずにいなくなるもんだから、

箱の中身は一体なに!?

あのおばさんの目的は一体!?

と、ミステリーな感じがすごく興味津々な作品でした。

が!

箱の中身はわかるんですが、おばさんが一体何者だったのかは明らかにならず。。。

連作なので、きっと後で出てくるんだろう!と思って期待して読んでも出てこず。。。

ちょっとモヤモヤする終わり方な作品でした。。。

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☆イギー・ポップを聞いていますか
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家の前に何故か置かれていたビデオテープ。

誰のものかわからないが、ちょっと持ち帰って覗いてみよう!というお話。

まぁ誰のものかもわからないものを覗いてみるってのはちょっと気持ち悪い感じがしなくもないですが…

なんか、どういうものが入ってるんだろう!?って気になっちゃう気持ちもわからなくはないですね(^_^;)

誰かのプライバシーをこっそり覗いているような、罪悪感というか背徳感というか、そういうのを感じたお話でした。

ただ、ほんとにプライバシーが映っちゃってるようなものは…見られない形でちゃんと処分して欲しいですね(笑)

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☆母の遺言
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亡くなった母が4人の子供たちに遺した遺言が気になる!というお話。

遺産のこともあるし、なんて書いてあるのか気になるし、早く読みたい!っていう気持ちがある一方で…

自分だけ除け者にされて、何にも触れられていなかったらどうしよう、なんて恐怖心もあったりする遺言。。。

長年生きていれば親子だっていろいろありますから、あんなことやこんなことが書かれてるかも!?って読みたいような、読みたくないようなって気持ちはなんかわかりますねー(^_^;)

遺言の通りに遺産相続するのか、それとも遺言なんてなかったことにして相続するのか。

なんかちょっとドキドキするお話でした(笑)
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本 【角田 光代】 | comments(0) | -

読書記録「三月の招待状(角田光代)」

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 【感想】
学生の頃から続く、仲良し30代男女5人組を描いた作品ですね。

仲良しとはいえ、結婚して専業主婦をやってる人がいたり、離婚してしまった人がいたり、まだ独身で同棲生活を送ってる人がいたりで、生き方は十人十色な感じではあるんですが…

僕も同世代なだけあって、なんとなーく共感できる部分が多いなって感じてしまいました(笑)

これに登場してくる登場人物たちは、結構みんな自由奔放に生きてる感じがするんですが、心の奥では実は、将来に不安を盛ってたり、友達に嫉妬感を抱いていたりするもんなんですよねー。

で、頭のなかは割と学生時代と変わってなかったりするのに、見た目だけはきっちり年を取っていて、若い人から見ると「ちょっと痛い感じのするおじさん、おばさん」になってしまっていたり。。。

なかなか心にグサッとくるような部分もあったりして、若干心にダメージを受けつつも、なかなか楽しめた作品でした。


以下、印象的だった短編を…と書くとおかしなことになりそうなので、印象的な登場人物について感想を(笑)
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☆坂下由美子
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学生時代から付き合った彼氏と別れてはくっつき、別れてはくっつきを繰り返して結婚した挙句、盛大な「離婚式」まで行って別れてしまった女性のお話。

正直言って、結婚式ならともかく、「離婚式」を行うような人の気持ちは理解不能ではありますが…

長年連れ添った相手に「飽き」てしまって、違う生活をしてみたい!っていうのはなんかわかるなーって感じがしました。

子どもがいる夫婦ならまた話は別なんでしょうけど、子どもがいなかったら、なにか特別なことがない限り、同じような毎日が数十年も続くわけですもんね(^_^;)

いつまでもらぶらぶ〜な関係でいられるならそれはそれでいいことなんでしょうけど、もううんざり!になってしまったらやっぱりツライですよね。。。

飽きてしまった夫と別れて、まだ30代という若いうちに、青春を再謳歌する。

そんな生き方はありなんじゃないかなーと思いました。

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☆澤ノ井正道
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こちらは、坂下由美子の元旦那さんのお話。

離婚してすぐに若い女の子と同棲して…っていうのは正直言ってあんまり褒められたもんではないかと思いますが…

新しくできた彼女では何か違和感を感じてしまうっていうのは、なんかわかる気がしますね。

長年連れ添ったカップルとか夫婦だったりすると、何も言わなくても相手の気持ちがわかったりしますもんね。痒い所に手が届くというかなんというか。

でも、付き合ったばかりのお相手だと、そんなことは望むべくもない。

元カノはこうだったのにこの子は…みたいな感覚、なんかわかります(笑)

長年連れ添ったお相手とのフィット感と、新しい子とのフレッシュ感。結局のところ、どっちがいいんですかね(笑)

と言っても、フレッシュ感は長続きするわけがないので、それを持続するには、次々にお相手をとっかえひっかえするしかないわけですけれども。。。

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☆佐山宇田男
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学生の頃は、モテモテで何をやっても上手く行っちゃってたけれども、今は残念な感じになっちゃってるイケメンくんのお話。

確かに、学生時代ってそういう人っていましたよね。

かっこ良くて、運動神経もよくて、頭も良くて、クラスの人気者!みたいな人。

まぁそういう人も、普通は30も過ぎれば普通の一般人になってたりするもんなんでしょうけど…

逆に、今はそんなオーラはもうどこにも…って感じだったりすると、ちょっと寂しくなったりはしそうですね。。。

(嫌いなやつだったりするとざまみろって感じになるんでしょうけど(笑))

学生時代にちやほやされたからって人生上手く行くとは限らない。

まぁ何が成功で何が失敗なのかは人それぞれでしょうけど、人生って難しいよなーって改めて思いました。


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本 【角田 光代】 | comments(0) | -

読書記録「さがしもの(角田光代)」

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 【感想】
本にまつわるエピソードを集めた短篇集ですね。

短編が9個も入ってるので1つ1つは結構短い話になってるんですが…

本好きならば「これは!!」って思えるような、共感できるエピソードがたくさんあったので読んでて楽しかったです。

やっぱり、本が好きな登場人物とか出てくるとなんかうれしくなっちゃいますよね。

ちょっとニヤニヤしながら読んでたような気がする1冊でした。

紹介してくれたゆいこさん、どうもありがとうございました。面白かったです。


以下、印象的だった短編の感想です。
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☆旅する本
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とある事情で手放した本が、巡り巡って自分のところに戻ってくるって話ですね。

売った本と同じ内容の本が別の本屋で見かけてっていう話なら、よくある普通の話かと思うんですが…

そうじゃなくて、自分が売ったまさにその本が、旅先の古本屋に売られているのが気がついて…って話なのでなんかすごいなって感じでした。

僕の場合は本を売っても目印なんてついてないので、それが古本屋に売られてても全く気づかないですが、手放しても手放しても自分のところに戻ってくる本!ってのはなんか運命を感じちゃいますね。

本との運命的な出会いってのはあるかと思うんですが、こういうのもなんか素敵な話だなーって思った作品でした。

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☆だれか
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旅先で、たまたまだれかが置いていった本を手にとって読んでみた…って話ですね。

本屋さんでたまたま出会う本っていうのもいいですけど、そうじゃなくて、意外な場所で出会う本っていうのもなんかロマンチックな感じがしていいですね。

たまたま置いてあった本だから、全く自分の趣味とは違う本。

でも、読んでみると意外に面白かったりして自分の視野を広げてくれたり、前に読んだ人はどんな感想を持ったんだろう?って想像してみたり。

本ならではの出会いって感じが読んでてなんか心地よい作品でした。

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☆彼と私の本棚
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本好き同士が一緒に暮らしていて、一緒の本棚を使っていたのに、別れることになってしまって…って話ですね。

本好き同士のカップルだから、好きな本は1冊買ってふたりで読む。そしてお互い感想を言い合ったりする。

そんなカップルって上手くいってるうちはほんと理想的で楽しそう〜って思ってしまうんですが…

いざ別れるとなったら、どっちがどの本を持っていく!とかで確かに悩みそうですね(^_^;)

大事な本だから、これは自分が持っていたい!けど、この本を見ると相手を思い出して悲しくなってしまう。とか(^_^;)

なんかちょっと切なさが伝わってくるような作品でした(^_^;)


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本 【角田 光代】 | comments(0) | -

読書記録「しあわせのねだん(角田光代)」

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 【感想】
著者の角田光代さんが、買ったり、食べたり、行ったりしたものに対して描いたエッセイですね。

こういう作家さんが書いたエッセイを読むといつも思うんですが…

なんか小説の世界から感じられる作家さんのイメージとはちょっと違った生活感が垣間見えるのが面白いなーってのを感じました。

例えば、いつもお昼ごはん何食べようかなぁって考えてみたり、Suica持ったことないから持ってみたいなーって思ったり、バレンタインデーにはチョコを買いにデパートに突撃してみたり。

角田さんってもっとなんかパリッとというかキリッとというかそういうお固いイメージがちょっとあったので、意外とこういう普通の女性っぽい感じのことしてるんだなーってのを知れてなんかちょっと親近感が湧いてきました(笑)

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☆理想的中身
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で、一番印象的だったのが、この「理想的中身」という話。

角田さん、意外とお金にずぼらな方のようで、どこに行くにしても財布にいくら入ってるのかはあんまり気にしないんだとか。

彼氏とちょっと遠出をしようと思った時も、気づいたらお財布の中に500円しかないことが判明!

折角遠出をしたのに、銀行を探しまわってくたくたになった…というエピソードがユニークで面白かったです。

なんか角田さんってそういうところキチッとしてそうなイメージだったのですごく意外でしたね(^^)

ちなみに、僕も結構お金にずぼらで、いつもカード払いなので、カードの請求書が来るとちょっとギョッとします(笑)

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☆一日5964円
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かれこれ10年間家計簿をつけ続けているという角田さんの話ですね。

で、振り返ってみると「いかに困窮の兆しがあろうと、飲み代だけはけちらなかった」んだとか(笑)

あんまり大酒飲みっていうイメージもなかったんですが…何よりもお酒が好きな角田さん。なんかいいなぁって感じでした(^^)

あと、「20代のときに使ったお金がその人の一部をつくる」みたいな言葉もあったんですが、確かにそうかもなーってのを感じました。

頑張って働いても「貯金」「貯金」「貯金」じゃ、お金はたまるかもしれないけど、その人の中身はからっぽ…って言えるかもしれないですもんね。

お金を貯めるのも大事だけど、もっといろいろ経験してみて、中身のある充実した生き方をしたいなーってのを感じました(^^)



本 【角田 光代】 | comments(0) | -

読書記録「ツリーハウス(角田光代)」

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評価:
角田 光代
文藝春秋
¥ 1,700

 【あらすじ】
東京のとある場所にある翡翠飯店。そこは、戦後、良嗣の祖父母が始めた飲食店なのであったが、ある日、その祖父が亡くなったことがきっかけで祖母が変わり始めた。何のことかわからないが「うちに帰りたい」と言うようになったのだ。若いころは満州で暮らしていたという祖母。そんな話を聞いた良嗣は、彼女を満州に連れてってあげたいと思うようになるのであったが…。

【感想】
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☆家族の歴史。
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家族を、そして日本を捨てて満州に逃げた祖父母から始まる家族の歴史の物語ですね。

結構分厚いのでなかなか読むの大変かなーって思ったんですが…

それぞれの時代を一生懸命に生きてきた家族の生き様が充分味わえたので面白かったです。

終戦からももうすでに60年以上が経過し、日本も戦争の面影ってのはもうほとんどなくなってきた感じがしますが、

今の70代以上の祖父母の世代ってのは実際に戦争を経験してるんですよね…。

実際に戦地に赴いて戦ったとか、空襲にあって大変だったとか、東京から親戚が疎開してきたとか、弟が戦死したとか。

そういえば僕もそういう話、祖父母から聞いたことありました。

今の時代もつらい時代だと言われますが、当時と比べたらやっぱり当時の方がつらい時代ですよね(^_^;)

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☆お墓がない家
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で、話は戻るんですが、この祖父母。祖国を捨てて満州に行き、戦争に負けたら今度は満州を捨てて逃げてきた…っていう立場の人なんで、帰れる実家がないんですよね(^_^;)

僕の実家は先祖代々続いていて、自分の両親だけじゃなくて、祖父母の実家とか、遠い親戚までも親戚付き合いのあるような家なので…

帰れる実家とか親戚ががいない人ってのもいるんだなーって知ってちょっとショックでした・・・。

やっぱり自分の育った環境ってそれが当たり前って思ってしまう節がありますが、そんなことはないんですね。

自分の環境ってやっぱり恵まれてるのかなぁと改めて感じました…。

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☆時は流れ…
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で、それから、この祖父母。日本に帰ってきて、東京でお店をはじめることになるんですが…

そっからは時の流れってすごいなぁってのを感じまくりでした。

戦後に生まれた子供がだんだん大きくなって、小学生になり、中学生になり、高校生になり、夢を追いかけたり、恋をしたりして、気がつけば彼氏彼女を家に連れてきて結婚して子供が生まれてるんですもん。。。

で、その時生まれた子供がさらに大きくなって、小学生になって、中学生になって、高校生になって、またまた夢を追いかけたり、恋をしたりして、彼氏彼女を連れてきたりする。。。

自分の立場から考えてみると、自分の両親や叔父叔母が小学生だったり、若者で浮かれてたりした頃なんて全く想像できないですが、祖父母が若いころっていうのは確かに父母叔父叔母ってのはそういう年齢だったんですよね。

時代背景こそ違えど、みんな同じような道を歩んできてるのかと思うと…なんかすごく不思議な感じがしました。

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本 【角田 光代】 | comments(0) | -

小説「ひそやかな花園(角田光代)」

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評価:
角田 光代
毎日新聞社
¥ 1,575

 【あらすじ】
 幼い頃、毎年夏になると両親に連れられてどこかの別荘にキャンプに行っていた。同じような年頃の子供を持つ他の親子も毎年参加していたようで、子供達は仲良くなり、キャンプに行くのが毎年楽しみだったのだ。それが全く行かなくなってしまったのはいつからだろう?あの頃の彼らに連絡を取りたいと思って両親に尋ねても、もう連絡が取れないという。果たしてあのキャンプは一体なんだったのか。あの頃子供だった子供達は大人になり、それぞれが自分達の過去に疑問を持つようになっていたのであったが…。

【感想】
 ちょっと特殊な環境に育ってしまった人たちのお話。

 最初のうちは、その「特殊な環境」っていうのが子供たちにはわからず、親だけが知っていて、一体それはなんなのか?って感じで進んでいくので、ミステリっぽい感じで面白かったです。あのキャンプは一体なんだったのか?何故突然キャンプに行くのをやめてしまったのか?自分達親子と他の家族とはどういう繋がりだったのか?よくわかんないことがいろいろあるので、それを追求するのはなかなか面白かったですね。

 後半は、「特殊な環境」っていうのが何だったのかが明らかになって、その上で自分達はどうするのか?っていうような話になってくるんですが…こちらは思った以上に重苦しくなってくるのが辛かったですね(^^; 自分の親たちが「特殊な環境」を作ることを決意し、その結果、少なからず子供たちはその影響を受けることになってしまった。その観点からすると、「親が悪い」ってことになるんでしょうが、かといって、自分達が親でこういう状態になってしまったとしたら、こういう方法にすがりたくなってしまう…そんな気持ちもわからなくはないんですよね(^^; ただ、子供たちは望んでそういう状態になったわけではないわけで…そんな風になるくらいなら産まれなかった方がいいと思ってしまう子供がいるっていうのもまぁ納得できるわけです。う〜ん…重いです(^^;

 ただ、どんな環境に自分が置かれたとしても、こんなに自分が不幸なのは○○のせいなんだ!って何かのせいにして生きるよりは、どんなに不幸でも、自分が不幸だとは思わずに、それなりに楽しく生きられた方がいいですよね〜。そう感じました。

     
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本 【角田 光代】 | comments(0) | -

小説「薄闇シルエット」

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評価:
角田 光代
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 540
Amazonおすすめ度:

 【あらすじ】
下北沢の古着屋を親友と始めて以来、仕事に
精を出す一方で、なんとなく年齢を重ね、
37歳になったハナ。彼女は「ありきたりの幸せ」を
得ることには否定的な考え方を持つ女性であった。
付き合っている彼氏はいるし、やがては「結婚」と
いう可能性がないとは思っているものの、
結婚することが自分の幸せにつながるとは思えず、
一方、長年古着屋をやってきた親友が、
お金の為に妥協しようとしているのを見ては
素直に彼女に賛同はできないでいるのだった。

【感想】
女性の方が読んだらもっと共感できる部分が多いのかも
しれませんが、僕はあまり共感できる部分がなかったので、
あんまり面白い…とは思いませんでした^^;
(いや、むしろ自分と似ているから
 面白くなかったのかもしれませんが^^;)
なんか優柔不断で、色んなものから逃げているような
感じがするような主人公なので、読んでいてなんか
鬱々とした気分になってきてしまいますね^^;

やっぱり折角読むのであれば、サバサバとした性格で
元気がもらえるような小説の方が好きですね〜。

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小説「夜をゆく飛行機」

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評価:
角田 光代
中央公論新社
¥ 620

 【あらすじ】
商店街の一角にある谷島酒店。
そこには有子、寿子、素子、里々子という4姉妹と両親がいた。
ある日、次女の寿子は自分の家族を赤裸々に描いた小説を出版したのだが、
なんと、その小説は賞を受賞してしまうのだった。
今まで平穏に過ごしてきた家族であったが、それをきっかけに
徐々に変化が訪れるようになるのだったが…。

【感想】
よくある家族小説なのかなと思って読んでみたのですが…
普通の家族小説よりもなんか雰囲気が重いですね。

特に話の内容が重いというわけではないのですが、
出てくる家族がそれぞれなんか人間臭さを持っている感じがします。
上手くいえないんですが、よくある小説のように、
私の悩みはこれ!というような明快な悩みの原因があるわけではなく、
なんか漠然と不満を抱えていたり、隠し事をしていたり、
そういった人間誰もが持っている負の一面が
それぞれの登場人物に描かれているような気がするので、
なんか重いというか生々しい雰囲気を醸し出しているような気がします。

また、物語が終わるころにはすべての悩みが無事に解決されて
ハッピーエンドというような終わり方でもないので、
なんかその辺もリアルな雰囲気を感じてしまいますね。
現実はそんなに甘くない。みたいな。

物語自体は奥が深くて面白いのは面白いんですが、
正直なところ、家族小説は読んでて元気がでるようなタイプの方がすきですね。
本 【角田 光代】 | comments(0) | -

小説「八日目の蝉」の感想

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評価:
角田 光代
中央公論新社
¥ 1,680
Amazonおすすめ度:
 【あらすじ】
不倫相手の説得に応じ、泣く泣く子供を降ろした希和子だったが、
その影響で、子供を作れない体になってしまう。
しかも、その不倫相手の妻には最近子供が生まれたという。
あの人の子供を見て見たい・・・そう思う一心で、
彼の家に忍び込んだ希和子であったが、赤ん坊を一目見た瞬間、
思わずその子供を連れ去ってしまうのであった。
そして、その子供を自分の娘として育て上げようと決心するのであった...

【感想】
1章と2章に分かれているんですが、1章は、赤ん坊を連れ去った希和子の話、
2章は、連れ去られた娘、薫の話になっています。

1章の方は幼子誘拐・逃亡の話なので、雰囲気としては、
ドロドロというか、暗い雰囲気で読んでて決して
気分がいいものではないかと思うんですが
2章で、娘の視点から事件の全体を振り返っているので、
物語全体にすごく深みが増して、重くて悲しい作品になっています。

実の母親ではないにしろ、ずっと母親だと思って、
何年も一緒に暮らしてきた"希和子さん"から引き離されて
顔も知らない実の両親の元へと連れて行かれることになった薫。
そして、何年も"他人の娘"として育ってきた実の娘が
突如帰ってきて、うれしい反面、どう接していいかわからない両親。
事件が解決して、幸せな家族へと戻るはずだったのに
娘が戻ってくることによって逆に崩壊していく家庭。
その辺が非常に上手く描かれていてものすごく悲しくなります...
(登場人物の描写が上手すぎですね...)

事件は無事に解決してるのに、結局、誰一人として幸せにはなれずに、
登場人物の多くが不幸になってしまっているというなんかすごい作品でした^^;
"普通の家"に生まれ育つことってすごくありがたいことなんですね...

決して読んでいて"面白い"というような作品ではないのですが、
読み応えがあるというか、人によって色々と感じるものが多いと思うので
一度は読んでみる価値がある作品なんじゃないかなと思いました。
(特に女性の方は、感じるものが多いんじゃないかと思います)

PS:同じ誘拐モノで、「キッドナップツアー」を書いてた人とは思えないくらい
雰囲気が違いますね・・・すごいなぁ。
本 【角田 光代】 | comments(0) | -
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