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評価:
桂 望実
文藝春秋
¥ 1,500
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【あらすじ】とある事情により、コピーライターの仕事を辞め、田舎に引っ込むことにした岸川。彼は、田舎でのんびり暮らすつもりであったのだが、その経歴を買われ、町おこしの企画に参加することに。気が進まず、とりあえず「わなげ大会」を提案してみるのであったが、思わずその企画は採用され、町のイベントとして開催されるのであった…
【感想】
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☆地方復興モノ
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とある事情から、田舎に引っ越してきた青年が、田舎町を盛り上げようと「輪投げ大会」を企画するーって話ですね。
再興モノって結構好きな展開なので、ちょっと面白そうだなーって思って読んでみたんですが…
思った以上に地味な展開だったのがちょっと残念でした(^_^;)
爺ちゃんがんばれー!と思わず応援したくなるような展開ではあるんですが…
町の復興とは程遠いような気がしなくもなかったので、ちょっとパッとしなかったですね(^_^;)
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☆いるのはジジババ外人動物ばかり…
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で、この作品、田舎が舞台になっていて、その田舎の様子が描かれた話になってるんですが…
少子高齢化がものすごい勢いで進んでいて、市町村合併が行われて、その地域はほぼ見捨てられたような状態になっていて、
住んでいるのはジジババと工場で働いてる外国人と、あとは畑を荒らす鹿などの小動物…
っていう状態がなかなかシビアだなーってのを感じました(^_^;)
今はまだ町を盛り上げよう〜なんて感じで地力が残ってる地域も多いかと思うんですが、
少子高齢化が進んでる地域でその大多数の構成員である「ジジババ」がいなくなったらどうなっちゃうんでしょうね(^_^;)
なんかちょっと前のニュースで、集落が消滅…みたいなのを見たような気がするんですが、そういうのが起こるのも当たり前な世の中になっていくのかなってのをちょっと感じました。
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☆都会の薄さと田舎の濃さか
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あと、近隣住民との繋がりの濃さ…っていうのが印象的でしたね。
家に鍵をかけるような風習はなくて、誰の家であっても、近所の人が勝手に出入りして、気がつけば、誰かが台所で料理を作ってたり、野菜のおすそわけが届いてたり(笑)
それだけ繋がりが濃いと、まさにみんな家族同然〜って感じなんでしょうけど…
やっぱりそれだけの濃さっていうのは、都会に住み慣れた人からするとかなりウザそうな感じはしますね(^_^;)
まぁ逆に都会は、周りとの繋がりが薄すぎなんでしょうけど(^_^;)