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【感想】
古典部シリーズの最新作ですね。
なにやら、今まで書いてきた短編の寄せ集めっぽいですが…
前作が出たのが何年前なのかよくわからないくらい久しぶりの新作!ということでなかなか楽しめました。
各話ごとでメインになる登場人物が変わってくるのも面白くていいですね。
奉太郎が何でこんなに省エネ人間になってしまったのかとか、
奉太郎が中学の同級生から嫌われている理由なんかもわかったりして面白く読めました。
ファンとしてはなかなか興味深いお話でした。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆鏡には映らない
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かつて奉太郎が通っていた中学校で作成した、卒業製作のお話。
噂によると、奉太郎が手抜きをしたせいで、卒業制作が正式な完成形にならなくなってしまい、
同級生たちから忌み嫌われるようになってしまった!というストーリーなんですが…
なんで奉太郎はそんなことをしてしまったのか、興味深く読めました。
単に省エネだから手抜きした!なんて簡単な話じゃなくて、事件の真相はちょっとぞっとしました。。。
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☆わたしたちの伝説の一冊
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伊原が所属している漫研が分裂の危機に貧してるというお話。
漫画を描く派と、漫画を読むだけ派の2派に分かれて、どちらかが辞めなければならない事態に陥ってしまっているんですが…
なんかお互いがお互いを罵り合い、ドロドロ〜な感じになってしまっているのが酷い状態でした。。。
ただ、こういうのって中間派もモロに巻き込まれちゃうもんなんですよねぇ。。。
友達だと思ってた人に裏切られて、だんだん酷い方向へと巻き込まれていく伊原。
最後に彼女が出した結論は結構スカッとしたんですが、なかなか色々考えさせられるお話でした。
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☆いまさら翼といわれても
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合唱でソロを歌う予定だった千反田が行方不明になってしまったというお話。
責任感は強いはずの千反田が行方不明に…一体何か!?って感じのお話なんですが…
タイトルの意味が結構ずっしりくる作品でした。。。
読み終わると、確かに「いまさら翼といわれても」って思っちゃいますねぇ。。。
千反田がこの後どうするのか、私、気になります!続き読みたいよぅ。
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【あらすじ】
取材のためネパールを訪れた大刀洗万智。彼女は、そこで王族殺害事件に遭遇する。ジャーナリストとして、取材をすることを決意した彼女であったが、そんな彼女の前に、さらなる他殺死体が現れ…
【感想】
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☆ネパールの王族殺害事件
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ネパールで発生した王族殺害事件。
その直後に発生した謎の殺人事件。
その真相を記者の大刀洗万智が探るっていうようなお話ですね。
最初読んだ時、実在の国名が出てきて、王族殺害事件なんて扱ってたんで、
完全フィクションだと思って読んでたのでちょっとびっくりしちゃいました。。。
ネパールの王族殺害事件って実話だったんですね…。
ニュースの片隅ででも聞いてたかもしれないですが…
そんな記憶まったくなかったので、ホント驚きでした。
正直なところ、その直後の殺人事件よりも、王族殺害事件の真相を知りたい!って思ってしまったんですが…
その真相はこの作品では描かれなかったので、そこんところはちょっと残念でした。。。
(まぁそれは自分で調べろよって感じなのかもしれませんが・・・)
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☆記者って大変
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まぁそれはさておき…
自分が住んでいる場所で何か「事件」が起こったらそれはもうパニックになるのは仕方ないかと思いますが…
そうじゃなくて「旅先で」何か事件に巻き込まれたとしても、それはそれは大混乱しちゃいそうではありますよね。。。
現地の言葉も正確にはわからないし、そこに住んでるわけじゃないし、それなのに移動に制限がかけられたりして。
自分だったら、一刻も早くそんな場所からは逃げたい!って思っちゃうこと間違いなし!なんですが…
そこは「記者」の宿命なのか、現地に留まり続け、調査を繰り返す主人公の姿が印象的でした。
記者とかって危ないところによく行ってるし、ほんと命がけなんだなーってのを改めて感じたお話でした。
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【感想】
フリーの記者である大刀洗万智が、さまざまな事件の真相を探るという短編ミステリ。
気付かずに読んでしまったんですが、「さよなら妖精」「王とサーカス」に関連する作品だったらしいです。
といっても、前2作を読んでなくても普通に楽しめる内容だったので面白かったです。
古典部シリーズとはだいぶ毛色が違ってかなりシリアスなミステリ作品に仕上がってますが…
事件の裏側というか真相を丁寧に探っていく感じが、深くて面白いなーって感じた作品でした。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆真実の10メートル手前
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とあるベンチャービジネスの会社が倒産し、経営者が行方不明になった。
計画倒産を疑い関係者の行方を追うマスコミの一人として大刀洗も社長の妹の行方を探すことにするが…というお話。
おばあちゃんの家の近くにいるけど、おばあちゃんには会えないという最後に家族にかけた電話。
そして、酔っている自分を親切な誰かが助けてくれたという数少ない手がかり。
それだけをもとに失踪した社長の妹を探そうっていうんですが…
たったそれだけの情報で、彼女の居場所を突き止めちゃう展開が、キレッキレですさまじかったです。
一見何をしているのか、意味不明な行動でも、後々考えればそうだったのか!というような名推理炸裂とも言えるような論理的な展開がなかなか面白いお話でした。
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☆恋累心中
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何かに絶望して、ふたりの男女の高校生が自殺したというお話。
自筆で書かれた遺書があり、自殺は間違いないだろうとのことだったが、一方で「たすけて」というメッセージも書かれており一体どういうこと!?なお話だったんですが…
こちらも大刀洗さんの名推理のおかげでものすごい真相にたどりついたのがすごかったです。
自殺しようとした原因も、たすけての意味もなかなか重いお話でした。。。
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