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【あらすじ】
時は昭和30年代の下町。お転婆な少女だった私と姉、
そして母の3人はつつましく暮らしていたのだが、
ある日、姉には重大な秘密があることを知る。
なんと、姉は、人や物が過去に体験した出来事を
"見る"ことができるというのだ。
人に言ってはダメと堅く約束された私であったが、
近所で起こったある事件をとても憎んでいた私は
姉の力を使えば事件を解決できるのではないかと
考えてしまったのだった…
【感想】
簡単に言ってしまえば、過去を知ることができる
サイコメトリーの能力を持った姉を持つ妹の話ですね。
…といってもあんまりSFっぽい雰囲気ではなく、
どっちかっていうと日常の謎を解いていくような
身近なミステリっていう感じです。
また、舞台は昭和30年代なのですが、
映画のAlwaysの世界のようにノスタルジックで懐かしい
古き良き時代のような雰囲気がプンプンしています。
Alwaysの世界観が好きな人はこの本の世界にも
心地よく浸れるのではないでしょうか。
また、登場人物も基本的に悪い人はあんまり登場せず、
ほのぼの・おっとり系な人が多いような気がするので、
読んでいてすごく暖かい気分にさせてくれます。
普通のSFならば、サイコメトリーの能力を持った少女がいる!
なんて知れたら、どっかから悪いやつらがいっぱい出てきて
誘拐されたり、悪事に利用されたり、はたまた、
なんかの実験台にされたりで、悲劇の道を歩んでしまいそうですが、
この作品にはそういう悪い人が出てこないのがいいですね。
(一応利用して事件を解決しようとしてる人はいますが(笑))
謎解きとしてはさほど凝ったようなものは出てこないので、
ミステリとして読むのはちょっと違うかなって思いますが、
昭和30年代のちょっと変わった能力を持った少女の話として
読めばけっこう楽しめるかと思います。
ノスタルジックで優しい雰囲気はすごく好きだったので、
続編も読んでみたいですね。