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評価:
有栖川 有栖
講談社
¥ 1,680
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【あらすじ】北海道は日本から独立し、「探偵」行為を行うことは、法律で禁じられている「日本」。そんな「日本」のとある田舎で事件が発生した。身元不明の男性の死体が山奥で発見されたのだ。ここ数日、不審な女性の姿が目撃されていたこともあり、犯人は「北(北海道)」のスパイである、その女性なのではないかと噂が広まるのであったが…。
【感想】
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☆世界観がすごい
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まず、この作品、ミステリなんですけど、やたらとスケールのでかい話なんで驚きました(^_^;)
第二次大戦中に北海道がソ連に占領されちゃって、以降、北海道は日本から独立。
今の北朝鮮と韓国みたいな関係に、北海道と日本がなっちゃったらーって舞台設定なんですよね(^_^;)
北海道と日本は完全なる敵国同士なんで、スパイを送り込んだり送り込まれたり、各ミサイルなんかが飛んできたりしてもおかしくないとか。
単なる推理小説にここまで複雑な舞台設定は必要か?って疑問は感じざるを得なかったんですが…やたらとスケールの話だなーって感じでした。
しかもこの作品のラストは、なんか序章の終わりーみたいな感じになってるんですよねー。
シリーズモノらしいんですが、長編映画の第一章が終わったような終わり方で…なんかただただすげーなーって感じでしたね(^_^;)
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☆でも中身はミステリ
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で、さっき書いたように、舞台設定はやたらと凝った感じになってるんですが…
扱ってるネタは、普通のミステリーって感じなんですよねー。
山奥で他殺体が発見された!容疑者はAとBとC!AとBにはアリバイがあって…みたいな感じ。
事件の真相こそ、ちょっと意外性があって面白かったりはしたんですが、事件そのものは割と王道な感じがするので、もうちょっと捻ってもよかったんじゃないかなってのは感じました。
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☆指が黒くなる
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あと、作品そのものには直接関係がないんですが…
ハードカバーのページのふち(?)の部分が黒く塗られてるので…
読んでるといつのまにか指が黒くなってましたΣ( ̄ロ ̄lll)
で、気がつくと、ページのいろんなところに指紋がペタペタ付いちゃってるという…
なんかちょっと本の装丁としては不満ありな一冊でした(^_^;)