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評価:
山本 甲士
小学館
¥ 690
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【あらすじ】幼稚園での人間関係、嫁姑関係、いろいろ嫌なことは多いけれども、なんとか平凡な毎日を送ってきた友希江。しかし、そんな友希江にも今回ばかりは堪忍袋の緒が切れた。脳梗塞で倒れた夫に対し、会社が理不尽な仕打ちを行うというのだ。それなりの大手であり、裁判で争ったとしても会社には勝てっこないと考えた友希江は、思い切って別の手で会社に復讐することにしたのであったが…。
【感想】
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☆ブラックな会社ってあるよね
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過労で脳梗塞を引き起こした夫に対して、無慈悲な退職を奨めてくる会社に妻がキレて…って話ですね。
長い間、上司や仕事のストレスに耐えて、毎日朝早くから夜遅くまでがんばって仕事して。
それなのに、病気になったら、手のひら変えたように、はいさようなら。
そういうブラックな会社って実際に結構ありそうな気がしなくもないですが…
もし、自分とか自分の家族がそういう目にあったとしたら…やっぱりメチャクチャ腹立たしく感じるだろうなーって感じました。
なんなんだよ!あの会社!!ムキー!!許せない!!!
そういう気持ちになるのもわからなくはないですね。
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☆やってるのは犯罪だけど…痛快!
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ただ、普通の人だったら「思う」だけで実際にはなんにもしないであろうことを、実際にやっちゃうってのはなかなかすごいですよね。
最初は些細な嫌がらせから、徐々にエスカレートしていって、最後には思いっきりドカン!と。
やってることはホントに「犯罪行為」なので、こんなの読んでて「いいぞ!もっとやれ!!」なんて思ってちゃいけないのかもしれませんが…
次々に嫌がらせ攻撃を仕掛けてくる陰湿な会社に対して、カウンターパンチをどんどん繰り広げる展開がなかなか読んでて痛快でした(笑)
犯罪行為に手を染めてしまった彼女が最後にたどり着いたのは結局のところ幸なのか不幸なのか。
そこんところは本作を読んで下さいってことにしておきますが、なかなか読み応えのある面白い作品だったなって思いました。