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評価:
相沢 沙呼
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,620
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【感想】
廃墟ビルに住み(?)そこから外を眺めるのが好きなマツリカさんと、そんなマツリカさんに惹かれてしまった男子高生の柴犬くんのお話。
同じ高校生ものを描くなら、もう女子高生マジシャンの「サンドリヨン」シリーズも書いてるし、そっちで統一しちゃった方がよくね?
なーんて思いを抱きながら読んだ作品だったりするんですが…
読んでみたら、なるほど、こっちはこっちでなかなか味のあるキャラ設定で面白かったです。
天才的にかわいくて、ちょっとSっ気があって、柴犬くんを弄ぶのが好きなマツリカさんと、
いつもおどおどしてて、純情で、ちょっとマツリカさんに弄ばれたい柴犬くん。
そんなちょっと変わったふたりの人間関係が…絶妙なんですよね(笑)
そんな姿を見せたら、柴犬くんがドギマギしちゃうのは目に見えてわかってるのに、敢えて下着をつけないでベッドに横たわってみたり、
そんなことをしたらマツリカさんに怒られちゃうのはわかりきってるのに、寝ているマツリカさんの近くに忍び寄ってみたり(笑)
行けばパシリに使われることはわかりきってるのに、会いに行かずにはいられなかったり(笑)
ちょっと普通の高校生っていう感じは全然しないおふたりですが、迷コンビっぷりがユニークで良かったです。
続編も出てるみたいなので、そっちもぜひ読んでみたいと思います(^^)
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆原始人ランナウェイ
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夕暮れ時になると、校舎のどこかで原始人が猛スピードで走っている!というのがしばしば目撃されたという怪談のお話。
まぁそのくらいのうわさ話なら、所詮は学校七不思議みたいなやつでしょ?で片付いちゃうかもしれませんが…
マツリカさんが解き明かした原始人の正体が、なんとも物悲しい真相で、ちょっと悲しかったです。
とある理由から猛スピードで彼は走ってたんですが…
こんな理由で怪談にされて学校中に広まったんじゃたまらないよなぁ。。。なんて思ったお話でした。
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☆幽機的テレスコープ
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強姦されたあげく、眼を抉られ、自殺してしまった少女の霊が出るというお話。
柴犬くんが、肝試しに参加して、その霊に遭遇してしまう!ってお話なんですが…
これまたマツリカさんが解き明かした霊の正体が、なんとも悲劇的で可哀想なお話でした。。。
まぁ霊をネタにして肝試しとかすること自体あんまりよくないような気がしますが…
それを置いておいたとしても、夜の墓場でこんなことされるのって怖いだろうなぁってぞっとするお話でした。。。
夜中の心霊スポットとかは近づかないに限りますね。やっぱり(笑)
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