|
評価:
相沢沙呼
東京創元社
¥ 1,620
|
【感想】
少女たちを主人公にした短篇集…かな。
サンドリヨンシリーズとか、マツリカシリーズのインパクトが強かったので、これも似た系統かなと思って読んでみたら…
意外と薄味で、それでいてちょっとライトな感じで、これまでのシリーズとはまたちょっと違った感じだなーって思った作品でした。
ミステリとしてはオチがやや弱めなので、ミステリとして読んでしまうとちょっと物足りない感じは否めないですが…
割と好みのタイプのお話もあったので、これはこれでいいのかなーとちょっと思いました。
以下、印象的だったお話の感想です。
--------------------------------------
☆小生意気リゲット
--------------------------------------
両親が他界し、ふたりで生きていかなければならなくなってしまった姉と妹。
姉は妹のためを思い、一所懸命働きながら、家事もこなしているのに、妹は姉の気持ちなんて知りもせずに、姉に冷たい態度を取ってくる!というお話。
妹は何故、姉に冷たく当たるのか!?ってのがミステリーになってるんですが…
たったふたりの肉親同士が仲良くできないのはなんか悲しいですね。。。
真相を知ると、妹の気持ちもわからなくないですが…
姉に冷たく当たる理由にはならないような気がして、なんかお姉さんが可哀想だなーと思ってしまったお話でした。。。
--------------------------------------
☆狼少女の帰還
--------------------------------------
学校で「嘘つき」だと呼ばれている少女のお話。
今回も、「クラスメイトの家で、家政婦さんが泥棒していた!」という嘘(?)を吹聴して回って非難を浴びているという。
こういったシチュエーションは…確かに先生としては難しい問題なような気がしますよねぇ。
教師なんだから、もちろん、教え子であるその子のことは信じてあげたい。
けれども、他の子たちが嘘をついているようにも見えない。
真相はなるほどなーって感じでうまーくまとめてはあるんですが…
若干、なんだかなぁって思っちゃうような一面もあったりして、複雑な思いを抱いてしまいました。
--------------------------------------
☆卯月の雪のレター・レター
--------------------------------------
祖父の元に、亡くなった祖母からの手紙が届いた!
しかも、それは何やら彼らが若いころに書かれたものらしい。
かれこれ50年は経過していそうなその手紙。
それが今頃になって届いたのはどういった意味があるのか…っていうお話。
この謎の真相は、若干強引な気がしなくもないですが…
本好きな少女が一生懸命に謎を考えてみたり、物語の雰囲気としては結構好きな感じだったので面白かったです。
この登場人物たちでもっとお話が書けそう!って思ってしまった作品でした。
この記事に対するコメント