|
評価:
重松 清
新潮社
¥ 662
|
【あらすじ】
交通事故により、松葉杖なしでは歩けなくなってしまった小学生・恵美は、
やがて、それまでの友人たちとは疎遠になり、距離を取るになるが、
その一方で、それまであまり仲の良くなかった
病気がちの由香と一緒にいることが多くなっていく…。
また、恵美の弟のブンは、転校生のモトと出会う。
何かとモトのことが気に入らないブンであったが
やがて二人は親友となっていく…。
そんな主人公「恵美」と「ブン」の二人を
それぞれの友だちの視点から描いた短編集。
【感想】
「友だち」をテーマに扱った短編集なんですが、
「恵美」の友だちの話では、女子特有の人間関係の複雑さが
リアルに描かれていて、面白かったです。
小学・中学・高校それぞれ少しずつ違うとは思うんですが、
女子のグループ同士の対立があったり、いじめがあったり、
ちょっとしたことがきっかけで仲間はずれにされたり、
そういうのってけっこうありますよね。
僕も学生の頃に見たことあるような雰囲気の内容が描かれていたので、
学生時代のころを思い出すと同時に、女子って大変だなと思いました^^;
「ブン」の友だちの話では、男同士の友情と上下関係が
描かれていたんですが、こっちもリアルで面白かったですね。
やっぱり小学生のころと中学生のころの友人関係だと
全然違うだろうし、学年があがるにつれて、友だちの質が
変わってくるってのもありますよね。昔は仲良かったのに、
段々疎遠になってきちゃう友だちとか…。
重松清さんってもうけっこうな年になってるかと思うんですが、
なんでこんなに若者を描くのが上手いんでしょうか?
割と最近の世代の若者の雰囲気の特徴がすごく上手く現されていますし。
あと、この作品のラスト。
いわゆる大団円な終わり方なのですが、
すごくうまくまとまっていて好きです。
この記事に対するコメント