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評価:
奥田 英朗
幻冬舎
¥ 630
Amazonおすすめ度:
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【あらすじ】
上の階の住民をを盗み聞きし、スケベな行為に耽る男。
●●嬢の勧誘をし、女には不自由しない男。
日常に不満を感じ、ビデオに出演するようになった主婦。
弱みを握られ、自分の勤めるカラオケボックスを●●にしてしまった男。
女子高生と遊ぶ官能小説作家。
誘惑した男との行為を録画してお金を稼ぐ女。
こんなちょっぴり(かなり?)変な人々が登場する短編集。
【感想】
思ってたより過激なシーンが多かったんですが、想像以上に面白かったです。
(あ、エロいシーンが面白かったという意味ではないですよ?(笑))
官能小説じゃないのに、こういう内容で読者を楽しませるのって
なかなか難しいとは思うんですが、あっさりクリアしちゃっててすごいですね。
むしろ普通の小説よりも面白いかもしれないです。
雰囲気としては、エロシーンはもちろん多いんですが、
登場人物の明るさと馬鹿さ加減でものすごくコメディタッチに
なっていてすごく笑えて面白いです。
あと、この作品に登場する6人の主人公達。
それぞれの話ごとに分かれてたりするんですが、その6人の
人間関係のリンクのされ具合がすごく上手くて面白かったですね。
ちょっと例を挙げると、1話の男は、上の階に越してきた
イケメンの行為を盗み聴きしてるわけなんですが、
その上に越してきたのが、2話の主人公のスカウトマンなんですね。
で、ほぼ同じ時間軸で物語が進んでいくので、1話では盗み聞きで
ちょっとしか聞こえなかった会話の部分が2話ではすべて明らかになったり、
1話で連れ込まれていた女の子がどんな子なのかっていうのが、
2話の物語の中で明らかになったりするわけなのです。
(1話で妄想を働かせて2話で真実を知る。なかなかニクい演出です(笑))
こんなリンクが6話まで続いていくので、面白いなぁって思いました。
あと、これ…映画化されるらしいですが…すごいですね^^;
物語の大部分を過激な部分が占めているので
どうやって映像化するんだろうって思ってしまうのですが…。
まぁ内容が内容なだけに万人にオススメはできないかと思います。
ただ、直木賞作家がこういう作品を書くってのはすごいですねぇ。