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評価:
奥田 英朗
集英社
¥ 1,470
Amazonおすすめ度:
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【あらすじ】
家と家族に関する短編集。以下の6編を収録。
・サニーデイ
主婦をしている紀子は、ちょっとしたきっかけでネットオークションをはじめた。
金額こそ大した額ではなかったものの、自分の売ったものが
他人に喜ばれて、感謝されることで、段々と自分の生きがいになっていく。
・ここが青山
会社が倒産したことによって、妻が新たに仕事をはじめ、
自分は家事を担当することになった裕輔。
初めは違和感があったが、家事が自分の天職のように思えてくる。
・家においでよ
妻との別居により一人暮らしになってしまった正春だったが、
これを機会に自由な生活を送ろうと決める。
念願だったオーディオ機器を買い揃えホームシアターを作りはじめる。
・グレープフルーツモンスター
しがない毎日を送っていた博子。だが、在宅で行っていたダイレクトメールの
名前登録の仕事の担当者が変わった日から、日常が変化した。
そう、その担当者がグレープフルーツのモンスターとなって
彼女の夢の中に登場するようになったのだ・・・
・夫とカーテン
夫が突然会社を辞め、起業すると言い出した春代は、しぶしぶながら、
それを認める。しかし、夫の経済状況が不安定になったことで、
春代のクリエータとしての才能が開花されはじめるのであった。
・妻と玄米御飯
妻が「ロハス」に凝ってしまった康夫は、
嫌々ながらロハスな生活を余儀なくされていた。
しかし、そんな生活こそ小説のネタにできるのではないか
と考え小説を書き始める。
【感想】
「家」とか「家庭」とかをテーマにした短編集です。
「家庭」というものは人それぞれで、千差万別だとは思うんですが、
この作品に登場する6つの家庭も、それぞれ独特な家庭が描かれていて
なかなか面白かったです。
トンデモ精神科医の伊良部シリーズみないな「毒」こそないものの、
それぞれの家庭の独特さの部分を上手く引き出していて
グイグイ引きこまれて読んでしまいました。
基本的に短編集は物足りない感じがするのであんまり好きじゃないんですが、
この作品は全然そんな感じはしなくて面白かったですね。
さすが奥田さんって感じでよかったです。