映画と本の備忘ログ

映画・本・テレビなどの個人的な感想などを載せてます。
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映画「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」

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 【あらすじ】
 10年前に誘拐事件の被害者になってしまったことにより、心が壊れてしまったまーちゃん。そんなまーちゃんのもとに、同じく10年前の誘拐事件の被害者だったみーくんが現れた。みーくんはまーちゃんを守るためにやってきたのだ。みーくんとの再開を心待ちにしていたまーちゃんは、みーくんに感激し、2人は早速一緒に暮らすことにしたのであったが、まーちゃんの家には、最近失踪して世間を騒がせていた、小学生の姉弟が監禁されていたのだった・・・。

【感想】
 ラノベが原作らしいので、もっとライトでポップな感じの映画かと思ったんですが、思った以上に重くて残酷な映画でした^^;特に10年前の誘拐事件の回想シーンは・・・ちょっと猟奇殺人モノっぽい傾向もあってちょっとグロかったです^^;明るく爽やかな映画を期待して見ると痛い目を見るので見ないほうがいいですね。間違いなく^^;

 で、10年前の回想シーンはおいておいて、他のシーンに関しては、まーちゃんを演じる大政絢さんと、みーくんを演じる染谷翔太さんはなかなかいい味を出していて良かったと思います。大政さんは、心が壊れてしまった役どころなだけあって、ものすごーく喜んでみせたかと思えば、突然泣き叫んだり、突然抱きついてキスしてきたかと思えば、武器を持って襲ってきたり、首を絞めてきたりと、なんともエキセントリックな美女を見事に演じていました。今までもどことなーく怖いイメージのあった彼女なんですが・・・この映画でますます怖さが増しました^^;染谷さんの方は・・・まーちゃんを守るために嘘をつきまくり、感情がなくなってしまった役どころなんですが、こちらも常に無表情で、何を言われても動じない飄々とした態度がなかなか役柄にマッチしていて良かったように重います。ストーリーの方は、正直あんまり好きじゃなかったですが、主演2人はいい味出していたので、2人のファンならば見てもいいんじゃないかなって思います。

★★★☆☆

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映画(邦画:青春・学園モノ) | comments(0) | -

小説「ツナグ(辻村深月)」

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評価:
辻村 深月
新潮社
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 【あらすじ】
 「ツナグ」という使者にお願いすると、生きている間に1度だけ死者に会うことができるという、そんな都市伝説のような話がある。縁がなければ連絡を取ることすらできないため、その存在は確実なものとは信じられていなかったが、実際には実在し、死者に会えるという話も本当の話であった。ある者は、先日亡くなったカリスマタレントに会いたいと願い、ある者は、母に会いたいと願い、ある者は事故で亡くなった親友に会いたいと願い、またある者は、失踪してしまった婚約者に会いたいと願い「ツナグ」のもとを訪れる。それぞれが違った思惑で故人に会いたいと「ツナグ」に依頼するのであったが・・・。

【感想】
 亡くなってしまった故人に会える。そして、感動のご対面。そんな展開のストーリーならば、割と他の本にもありそうだし、下手をすると、ベタな展開になってしまいそうなところなんですが、そこは辻村さん。人物描写が上手いので、グイグイ引き込まれてしまいました。当然の如く、故人に会いたいと思っている人はそれぞれ異なった事情を抱えているわけだし、それぞれ違った結末を迎えるのが当たり前なんですよね。故人が亡くなってしまって知らなかった真相を知れて良かったと思う人もいれば、逆に知らなければよかったような真実を知ってしまい後悔する人もいる・・・。みんながみんなありきたりで同じようなハッピーエンドな結末を迎えていないところが奥が深くて良かったなぁって思いました。

 また、普通だったらこの「ツナグ」の使者とかの正体っていうのは明かさないで、ミステリアスなままにしておくことって多いかと思うんですが、そこは使者の視点からも物語を構築して、正体を明らかにしているあたりが新鮮で良かったです。どうしてこんな「ツナグ」の仕事をすることになったのか。また、各依頼者に会っているとき、「ツナグ」は何を感じていたのか。そういった面の描写までされていて面白かったです。あらすじに書いた4人のエピソードが表の顔なら、「ツナグ」の視点から描いたエピソードは裏の顔。表から見てるだけでは見えてこなかった真相とかが裏の顔からは見えてきて面白かったです。もちろん、各エピソードとリンクされているので、あそこで出てきたあの人は実は・・・みたいな伏線もいっぱい張られていて楽しかったです。

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本 【辻村 深月】 | comments(0) | -

小説「美晴さんランナウェイ(山本幸久)」

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【あらすじ】
 中学生の世宇子の家には、両親と弟の他に叔母の美晴が暮らしている。美晴は27歳でまだ未婚である為、実家である父の家に住んでいるのだ。そんな美晴のことを、世宇子も決して嫌いなわけではなかったが、自由奔放で好き勝手なことをしまくる美晴には、家族も振り回されてばかりいた。祖母が亡くなった際には葬式にも出席せずに旅行に出かけてしまうし、世宇子が病気で寝込んでいる際には中学生の世宇子にお酒を飲ませた上に自分は男を家に連れ込む始末。仕事も正社員にはならず、好きなときだけ書店で働いているらしい。そんな美晴に、両親は早くお嫁に行って欲しいと常々思っていたらしいのであったが・・・。

【感想】
 自由奔放に生きる叔母さんに振り回される家族を描いたちょっと変わった家族小説です。最近は核家族化が進んでいるせいか、自分の周りには叔父さん、叔母さんが一緒に住んでいるという家族構成の知り合いが全然いなかったので、新鮮に楽しめました。

 この作品の場合は美晴さんの存在が強すぎるからかもしれないですが、「叔母さん」という普通の家庭にはいない家族が一人増えるだけで、結構家庭内の雰囲気って違ってくるもんなんだなってのを感じました。母親にとっては、義理の妹だから、いくら好き勝手やってても、娘のように叱るわけにはいかないし、余計な気も使わないといけない。子供たちからみても、相手は立派な大人なわけで、兄弟っていえるほど仲良くなれるわけでもないし、かといって両親とも違う存在。どっちから見てもちょっと微妙な距離感。しかも、美晴さんは自由奔放な性格だから、自分達はその尻拭いまでしなくてはならない・・・。そんな人たちが一緒に生活していくとなると・・・なかなか大変だってのは一目瞭然ですよね^^;美晴さんはマイペースなのでそんなの全然気にしてなかったようですが、こういう環境にお嫁に来てしまったお母さんは大変だなーって思いました^^;

 ・・・とここまで書いてしまうと、なんかドロドロした感じの物語を想像してしまいそうですが、そんな作品ではありませんのでご安心を。むしろ、美晴さんがカラッとした性格なので、明るく爽やかに展開されていて結構ニヤリと笑えるようなシーンも多かったので面白かったです。自由奔放に好き勝手暴れまくる美晴さん。こういう人が実在しているとしたら、周りの人はそれをフォローするのは大変でしょうが、きっと楽しい毎日を送れるんだろうなーって思いました。

 あと、物語のベースは「世宇子」と「美晴」の姪と叔母の関係の話が中心なんですが、その後のエピソードとして、「世宇子」の弟の「翔」が結婚して子供が産まれてからの話も載っていて面白かったです。小学生だった翔が大人になり、娘と息子が生まれ、かつての「世宇子」と「翔」の姉弟の関係を自分のこどもたちの姿に重ね合わせる・・・。そして、そんなところに、あれから20年近く経った「美晴」叔母さんがやってくる。大人になって年を取っても甥と叔母の関係は変わらない。なんか素敵な後日談みたいな感じで終わっていたので読後感が良かったです。


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本 【山本 幸久】 | comments(0) | -

小説「チョコレートコスモス(恩田陸)」

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 【あらすじ】
 ドラマや演劇の脚本を書き、名前もそこそこ売れている脚本家の神谷は、ある日、とある大作舞台の脚本の依頼を受けることになった。著名な方からの依頼ということもあり、多大なプレッシャーを感じていた神谷は、気分転換でもしようと、大学の演劇サークルの舞台公演を見に行くことにしたのであったが、そこでとてつもない衝撃を受けることとなった。なんと、その舞台に出演している女優の一人がずば抜けた演技力と存在感で観客を魅了していたのだ。とても大学サークルの演劇とは思えない出来に深く感銘を受けた神谷は、後日その公演を再度見に行くことにしたのであったが・・・。

【感想】
 無名の新人女優さんや、アイドル出身の女優さんや、ベテラン女優さんが、とある大物が主催する部隊のオーディションに参加するっていう話です。舞台の話なので、大半が誰かが演技していたり、その様子を誰かが見ていたり・・・っていう描写が多くて、似たようなシーンが多いんですが、それらが上手く描き分けられていたのがすごいなぁって思いました。オーディションの審査で与えられた題材がみんな同じで、その題材についてそれぞれの女優さんが演技する・・・っていうシーンが多かったので、下手をするとほとんど同じ展開の繰り返しになってしまってもおかしくないんですが、出てくる女優さんによって、そのシーンの描き方が全然違ってるんですよね〜。ある女優さんは、ベテランが故の演技をしてみたり、若い女優さんは、その若さを活かした演技をしてみたり、またある女優さんは自分独自の世界を展開してみたり。小説の中での話ではありますが、同じ内容のストーリーであっても、演じる者や演じ方によって雰囲気は全然違ってくるもんなんだなぁっていうのを実感しました。また、今までドラマとか映画とか、この人が演じたらこうだけど、あの人が演じたらこうなんだろうな〜とかそういう想像をしてみたことってあんまりなかったんですが、そういうのを考えてみるのもちょっと面白そうだなぁってちょっと思いました。役者さんのカラーっていうのはやっぱりあるでしょうし、ドラマとかでも主役が違うだけでだいぶ印象は違って来るんでしょうね。

 それから、舞台っていうのは全く見たことがなかったんですが、この本を読んで、舞台もちょっと見てみたいなーって思うようになりました。やっぱり舞台には、ドラマや映画にはない魅力があるんでしょうね〜。ドラマや映画みたいに気に入らないから撮りなおしなんてことはできないし、シーンとシーンをつなぎあわせて面白くなるように編集したりできないから、その場で演じているのが全てなわけです。役者さんと観客との距離も近いし、スクリーンを通じて見るわけじゃなくて目の前で生で見るわけですから臨場感とか全然違うんでしょうね。その辺の「舞台の良さ」みたいなのも作品を通じてしっかり伝わってきました。きっと著者の恩田さんは舞台とか役者さんが好きなんだなーってのを感じました。

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本 【恩田 陸】 | comments(0) | -

映画「ソーシャルネットワーク」

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 【あらすじ】
 ハーバード大学に通うマーク・ザッカーバーグはある日、彼女に振られたことをきっかけに、女子学生をランク付けするサイトの構築を思いついた。酔った勢いで構築さいたサイトは、すぐさま大人気となり、大学内でもその話題でもちきりになったのであったが、女子学生からの非難も凄まじく、そのサイトはすぐに閉鎖に至ったのであった。しかし、彼はそんなことではめげなかった。新たにフェイスブックというソーシャルネットワークシステムを構築し、公開したのだ。ランク付けサイトと同様に大学内ですぐさま大人気となったフェイスブックは、さらに人気が拡大し、他大学、他国、他大陸へと進出し、世界的大ヒットとなっていくのであったが・・・。

【感想】
 世界的に大ヒットしている「Facebook」の作者をモデルにした作品です。よくニュースで話題にもなっているし、それだけのシステムを作った人だから、さぞかしすごい人なんだろうなぁっていうのは想像していたんですが・・・映画を見終わった後ではなんか別な意味ですごい人なんだなぁって思ってしまいました^^;確かに、これだけのシステムをちゃちゃっと作ってしまって、常に改良を加えているあたり、天才と呼ばれるに相応しいくらいの頭脳の持ち主なんだなってことはわかるんですが、それに対して人間的にはまだ未熟というか、捻くれているのかなって感じるシーンが多かったんですよね^^;別れ話を持ち出してきた彼女に対しては、容赦なくネット上に悪口を書きまくるし、自分を裏切った人物に対しても容赦なく報復措置を取るし^^;どこまでが事実で、どこまでが創作なのかはよくわからないですが、少なくともあの映画の主人公とはあんまりお近づきになりたくないなぁってそんな印象を抱いてしまいますね^^;

 あと、主人公のマーク・ザッカーバーグさんはまだ20代半ばであり、彼の人生の中ではまだ半分にも至らない絶頂の最中にこの映画を作っているので(もしかするとまだまだ上っていくのかもしれませんが)、この映画を見た限りでは、なんか人生上手く行き過ぎてるような印象を受けました。まぁ、彼女に振られたり、彼に敵意を燃やす人物が現れたり、そういう事柄は起こっているんですが、彼にとっては些細なことでしかないような気がするんですよね。彼にとって本当の挫折を味わったとき、彼がどうなっていくのか、逆境をバネにさらに進化していくのか、それとも没落してしまうのか。その辺が気になりました。(ネットの世界は進歩が速いし、Googleの脅威としてFacebookが現れてきたのと同様に、いずれFacebookにとって脅威と思えるような存在が現れるでしょうから、そのとき彼がどう動くのか、それに注目したいと思います)

★★★★☆

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映画(洋画:その他) | comments(0) | -

映画「グリーン・ホーネット」

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評価:
---
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥ 1,580

 【あらすじ】
 父親の突然の変死により、新聞社を継ぐことになったブリッドは、ある日、父親のもとで働いていたカトーと出会う。彼が機械に詳しく、車の改造や武器の作成もできることを知ったブリッドは、カトーと共に、全身グリーンのスーツを着たヒーロー「グリーン・ホーネット」となり街中の悪を退治しようと計画するのであったが・・・。

【感想】
 あんまりよく知らなかったので、期待せずに見てみたんですが、意外となかなか面白かったです。単純なヒーローモノかと思いきや、主人公のヒーローがお馬鹿なおっちゃん・ブリッドで(本当は若いのかもしれないですが)、相棒が喧嘩に強くて、メカにも強くて、バンバン敵をやっつけてくれるのをいいことに、自分は大してなんもやってないくせにおれってすごいだろーみたいな感じでいい気になっている男という、なんとも人間臭い主人公なのが面白かったです。しかも、悪いやつをやっつける!みたいなことを言っておいて、自分が悪いことをしてるのは全然気にせず、憎き父親の銅像は、頭をちょん切って奪い去るわ、追ってきたパトカーは撃破するわ、倒れてる敵を、やっつけた後に蹴りまくるわ、さらには、悪役になって新聞に載ってるのを喜ぶわという・・・好き勝手に暴れまくる無茶苦茶でなんとも変わったヒーローというがなかなか痛快でした。まぁいかにもヒーローな感じのヒーローだとありきたりだし、これくらいはっちゃけてるのも楽しくていいのかもしれないですね。テンポよく進んで言って、笑えるところも多かったし、個人的には結構好きな作品でした。

 脇役の方も、クールでカッコよくて、喧嘩も強くて、メカにも強いという、一見非の打ち所がないように見える一方で、意外に頑固だったり、ブリッドを恋敵のようにライバル視しちゃうようなお茶目な一面があったり(明らかに彼の方がかっこいいのに)、意外な弱点があったりと、意外な一面を持ち合わせているカトーと、ブリッドとカトーの両方から好意を抱かれてしまうほどの美人で頭もよく、「グリーン・ホーネット」についても色々調べていて自分の考えもしっかり持っているけれども、その一方で、ちょっとズレているような一面も覗かせる美人秘書のレノアもなかなかいい味出していて素敵でした。ブリッドとカトーとレノアの3人のラブコメみたいなバタバタしたやりとりもなかなか楽しくて良かったです。

★★★★★

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映画(洋画:ヒーローモノ) | comments(0) | -

小説「スコーレNo.4(宮下奈都)」

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 【あらすじ】
   骨董品屋の娘として育った長女・麻子。彼女は、美人で華のある次女・七葉、マイペースで誰からも愛される三女・紗英と比べ、真面目で地味な性格であり、妹たちよりも損な役回りであることが多いと感じていた。そんな彼女も、中学生のある時、恋をした。親友の真由が好きになった男の子を麻子も好きになってしまったのだ。親友が好きな子を自分も好きだというわけにもいかず、かといって胸の高鳴りも止められない。麻子にとってモヤモヤとした日々が続くのであった・・・。

【感想】
 なんかあらすじを読んだだけだと、コテコテのラブストーリーみたいに読めてしまいますが、ラブストーリーというよりも、麻子という一人の女性の成長期といった感じで楽しめました。4章に分かれていて、1章は中学時代、2章は高校時代、3章は社会人になった直後、4章は社会人になってから数年が経った頃の話になっているんですが、それぞれ恋をしたり、家族との関係を悩んだり、仕事で悩んだり、それぞれの時代でそれなりに悩んだり、挫折したりして、健気に生きていく様子がなかなか素敵でした。(女性の視点なので、その辺はやっぱり女性の方が読んだ方が共感できる部分も多いのかなって思います)

 中でも特に良かったのは、3章の麻子の就職先での仕事のシーン。麻子は某お店で働くことになるんですが、その仕事に対するひたむきさが印象的でした。はじめのうちこそ、仲間もおらず、仕事もわからず、自分が売っている商品も愛せず、孤独な辛い日々を送っていたんですが、ある日を堺にして人生が変わるんですよね。視界が180度変わったかのように、お店が好きになり、商品が好きになり、もっとお客様に喜んでもらいたい。もっとお店を良くしたい。そんな風に考え方が変わって活き活きとした姿が描かれていたので、その辺は読んでいて清々しかったです。本当なら仕事に対する姿勢ってそういう風じゃなきゃだめですよね〜。自分が売っている(作っている)商品を愛せなくて、ただ単に毎日仕事してるのと、商品を愛して毎日楽しく仕事をしているのだったら、やっぱり後者がいいですよね^^;ちょっと自分も見習いたいなと思いました^^;

 正直言って前半あたりはちょっと地味で失恋ばっかりしてるのでちょっと微妙かなって思ったんですが、後半になってガラリと変わって麻子が活き活きとしてきたのがすごく良かったです。仕事も恋も、クライマックスももちろんいい感じで終わっていて、読後感もすごく良かったので、色んな人に読んでもらいたい1冊かなって思いました。(でもやっぱりラブストーリーが苦手な人はちょっと厳しいかな?^^;)

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本 【宮下 奈都】 | comments(0) | -

小説「警官倶楽部(大倉崇裕)」

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 【あらすじ】
 「警官倶楽部」という警官好きな人間があつまるサークルのメンバーである関谷と森田は、とある事情のため、警察官を装い、「ギヤマンの鐘」という宗教団体からお金を強奪することを計画した。信者から大量のお金を騙し取っていると噂される「ギヤマンの鐘」からであれば、お金を奪ってもいいだろうと思った2人は計画通り強奪を実行。無事に310万円の現金を奪うことができたのであった。しかし、事件はそれで終わりではなかった。「警官倶楽部」の仲間である高田の息子、哲哉が何者かに誘拐されてしまったのだ。身代金として要求された額は400万円。哲哉を救うため、警官倶楽部のメンバーは、犯人探しを開始するのであったが・・・。

【感想】
 警官好きなサークルのメンバーが主人公で、彼らがどんどんトラブルに巻き込まれていく話なので、ハチャメチャな展開がなかなか良かったです。ただ、登場人物が結構沢山いて、組織も色々出てくるので、誰が誰だったかっていうのが途中でごちゃごちゃしてわからなくなってきてしまったのが難点でした^^;色んな登場人物がいて、それぞれがそれぞれの思惑の通りに動いていって、お金も奪ったり奪われたりとなかなかユニークな展開なので、登場人物のキャラがもっとわかりやすい映画とかになったら結構面白くなるんじゃないかなって思いました。

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本 【その他】 | comments(0) | -

小説「月と蟹(道尾秀介)」

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評価:
道尾 秀介
文藝春秋
¥ 1,470

【あらすじ】
 父親の会社が倒産し、その父親は死亡。一人暮らしをしている祖父の家へと引っ越してきたものの、自分はクラスになじめず、母親は母親で息子に隠れて愛人と密会を重ね楽しんでいる様子。そんな鬱憤が溜まる日々を過ごしていた小学生の慎一は、やがて同じようにクラスで浮いていた春也と仲良くなるようになった。そんなある日、春也に教えてもらった「ヤドカリのあぶり出し」をして遊んでいると、慎一はふとそのヤドカリの姿が神様に似ているような気がした。何か願い事をしたら叶うのではないか。そう思った2人は、試しに願い事をしてみることにしたのであったが・・・。

【感想】
 今話題の直木賞受賞作です。丁度受賞者が発表されるタイミングで読んでいたので、まさしくタイムリーに読んでいたことになるんですが・・・、率直に言って直木賞に値するほど良いのかなっていうのが正直なところです^^;まぁつまらないわけでないんですが、道尾作品なら他にももっと面白い作品とかいっぱいありますからね〜。なぜこの作品で受賞なのか・・・ちょっと疑問が残るところではあります。(まぁ直木賞なんてそんなもんだと言ってしまえばそれまでなんですが)
 
 まぁそれはさておき、この作品、ミステリじゃないっていうことを知らなかったので、はじめのうちはミステリなのかと思っていて読んでしまい、いつ事件が起こるの!?とか、ドンデン返しはまだぁ?みたいな感覚で読んでしまいました^^;もちろんそんな展開になるわけがなく・・・(まぁ事件は起こるんですが、ドンデン返しはありません)、期待していたのに期待した展開にならず終わってしまったので、なんかちょっとガッカリ・・・な感じになってしまったのが残念でした^^;個人的にはやっぱりこういう感じの作品よりは、最後の最後で全部ひっくり返してくれるようなそんな展開のミステリ大作が読みたいなーって思いました^^;

 ただ、ミステリとしての期待感は満たせなかったんですが、小学生の少年の、孤独感とか、友人への羨望・嫉妬とか、肉親への嫌悪感とか、恋愛下手な小学生の歪んだ感情とか・・・そういう重いというか暗〜い部分は濃密に描かれていたので、その辺は読み応えがありましたね。「向日葵の咲かない夏」の主人公とまではいかないんですが、この主人公もその友達もちょっと陰鬱な感じのキャラクターなので、ああいった感じのダークな(ちょっと捻くれた?)世界が好きならば、この重い深い世界観を楽しめるんじゃないかと思いますね〜。色んなことが重なって、自分の中に少しずつ何かが溜まっていって、抑えきれなくなって爆発してしまう・・・。感情の捌け口がなくて自分の中にどんどん溜め込んでしまうタイプの人だとそういうこともあるんでしょうね。大切な人なのにいなくなって欲しいと思ったり、それなのに、相手が自分から離れてどっかに行ってしまうかと思うと許せなかったり。そういう矛盾した気持ちやモヤモヤ感も上手く描かれていたように思いました。

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本 【道尾 秀介】 | comments(0) | -

小説「貴族探偵(麻耶雄崇)」

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評価:
麻耶 雄嵩
集英社
¥ 1,470

 【あらすじ】
 人里離れたとある山荘で事件が発生した。会社社長である都倉誠一が殺害されたのだ。当時、山荘には妻の光恵、息子の忠仁、姪の江梨子、愛人の旗手真佐子、そして、営業部長の正津幸彦がおり、この中の誰かが犯人なのではないかと思われたのであったが、そんな中、とある人物があらわれた。貴族探偵と自称するその男は、執事を従え、自分が事件を解決してみせると言うのであったが・・・。

【感想】
 「貴族探偵」というなかなかインパクトのあるキャラクターで、自分では一切推理せず、全て他人に任せるという展開の意外さと、彼に従う執事やらメイドやら運転手やらの個性的な面々の活躍はなかなか面白くて、アニメとかドラマっぽい展開でいいなーって思ったんですが、各話で発生する、個々の事件の結末に関してはちょっと強引かなぁって思いました^^;なるほど!これが事件の真相だったのか!っていう驚きよりも、え!これで終わりなの!?っていうような唖然とする結末が多かったので、その辺がちょっと違和感を感じてしまったんですよね^^;もう一捻り欲しかったかなって思いました。(ただ、3話目の「こうもり」の結末は騙された感がしてすごく良かったです)

 あとは・・・最後まで読んでもこの「貴族探偵」が何者かっていう正体が明かされないところがちょっと残念でした。きっと最後で意外な正体が明らかに!!って展開なんだろうなーって思って読んでたので、ちょっと肩透かしを食らってしまったような感じでした^^;まぁその辺は続編に期待ってところなんでしょうかね。あと、個人的には貴族探偵自身が事件に巻き込まれて、あたふたするような意外な展開も読んで見たいです(笑)

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本 【その他】 | comments(0) | -
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