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評価:
荻原 浩
新潮社
¥ 882
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【あらすじ】南太平洋上に浮かぶ、ラウラ諸島共和国。トンガからそこに向かう小型飛行機が墜落した。幸い海上に不時着できたため、乗客に死者はいなかったが、日本人乗客ら10名は、小さな無人島で助けを待つことになるのであった…。
【感想】
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☆無人島サバイバル
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飛行機が墜落して、無人島に流れ着いて、でも誰も助けに来てくれなくて…っていうような話ですね。
無人島サバイバルの話は割とよくあるような感じはしますが…
この作品は、荻原浩さんらしいというか、悪い登場人物があんまり出てこなくて(嫌な登場人物はいますが)、変な人達が集まってトラブルを巻き起こしながらなんとか生きていくーって感じの軽めなタッチの作品だったので、割と読みやすかったです。
食料も水もなくって、木の実を探したり、魚を食べたり、はたまた●●●●を食べたり、▲▲▲▲を食べたり。
中には想像するとぞっとしちゃったりもするようなものまで食べてたりして、うげー。な感じのシーンもあったりするんですが、無人島で生きるのも楽じゃないって感じが伝わってくるようで良かったんじゃないかなって思います。
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☆終わり方が…
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ただ、難があるとすれば、ラストの終わり方ですかね。
ライトな感じだからきっといい感じのハッピーエンドで終わるんだろうなと思いきや…
え?こんな終わり方!?というようなある意味衝撃的な終わり方で(^_^;)
読後感が悪い…とまでは言わない終わり方なんですが、個人的にはなんかものすごくモヤモヤが残る終わり方で残念でした(^_^;)
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☆無人島で犬は…
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あと、ちょっと考えさせられたのは「犬」の存在ですかね。
飛行機にペットとして犬が乗っていて、犬も一緒に遭難しちゃったんですが…
水も食料も乏しい無人島で、この「犬」をどうすべきかって論争が巻き起こるんですよね。
ただでさえ貴重な食料を犬に食わせるなんて!みたいな。
むしろ、その犬を食っちゃった方がいいんじゃないか?みたいな。
犬を食べちゃう。なんてのはやっぱり残酷かと思いますが、無人島で食料もなくて...っていう状態だとどうするのがベストなんでしょうかね?
犬も含めて食料を与えて、みんなで餓死するまで耐えるのか。それとも犬も食料にしてしまうのか。
読む機会があったら、この犬の運命にも注目して読んでみるのもいいかもしれません。(ちょっと意外な運命を辿ります。この犬(笑))