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評価:
中田 永一
祥伝社
¥ 1,470
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【感想】--------------------------------------
☆恐るべし中田永一さん...
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「読書界を騒然とさせた話題の大型新人、初めての恋愛小説集」って帯には書いてあったんですが…
確かに誇張表現じゃないなーってくらい面白かったです。
ラブストーリーだし、短編だし、そう簡単には「面白い」なんて思わないだろうなーなんて油断してたんですが…やられました(^_^;)
ちょっとラブコメチックな設定と、学生が主人公の青春モノっぽいノリと、続きが気になる展開にハマっちゃったんですよね(^_^;)
久しぶりに、素直に面白い!って思えた作品でした(^^)
ちなみに、彼の他の本も結構読んでたりするんですが...そっちとは全然路線が違うんですね。
ダーク感満載な彼の作品も好きですが、青春まっしぐら!なこういう路線も結構アリだなーって思いました(^^)
で、この作品は短編集なので、以下に印象深かったの短編の感想を。
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☆小梅が通る
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一番面白かったのがこれ。「小梅が通る」
素顔でいると、男はみんな彼女に好意を抱き、女はみんな彼女に敵意を抱くという、「超絶美少女」の「小梅」。
余りにも美少女過ぎて生活に支障があるので、普段は不細工メイクを施して、学校に通ってるんですが、そんな「不細工な彼女」に近寄ってくる男子生徒がいて…って話です。
かなり変わった設定かと思いますが、「美人過ぎて困るから不細工メイクをしてる」っていう彼女の心情を上手く表現できてたなーって思いました。
近寄ってくる男はみんな彼女の「顔」目当てで、本当は彼女の内面までは好きになってくれないし、女はみんな嫉妬するから友達もできない。
そんな彼女は誰かに恋をすることができるのか!?あるいは、素顔を見せられる友だちは出来るのか!?
美人が故に苦労してる彼女の心情がなかなか切ないお話でした。
ラストも、ちょっといい所で終わってる感があるので、続きをぜひ!って感じでした(笑)
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☆キャベツ畑に彼の声
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学校にいる若くてちょっとかっこよくて憧れている男性教諭が、実は自分が知っている作家だということに気づいてしまった主人公。
自分と彼しか知らないふたりだけの秘密。そんな秘密を共有することで、ふたりの関係はちょっとずつ変わっていくのだが…って話ですね。
憧れの先生の秘密を知ってしまってドキドキ…みたいな展開はやっぱりちょっとラブコメっぽい展開かなーとは思いますが、これも面白かったです(^^)
高校時代ってやっぱり若い教師に憧れーってありますよね。
同級生とは違ってちょっとだけ大人。
でも他の教師みたいにおじさん、おばさんな感じじゃなくてお兄ちゃん、お姉ちゃん的な身近な存在。
恋なのかそうじゃないのかよくわからないけど、一緒にいるとなぜかドキドキしちゃう。そんな感じ(^^)
なんか「青春」って感じがすごく良かったです。