|
評価:
香山 リカ
幻冬舎
¥ 777
|
【感想】何かと勝間和代さんと対比されることの多い香山リカさんの作品ですね。
あっちはがんばってがんばってがんばって上を目指そう!みたいな感じですが、こちらはがんばらなくてもいいんじゃない?みたいなニュアンスでしょうか。
なるほど。確かに結構対比的な話をしてるなーってな印象でした。
--------------------------------------
☆ほしいのは「ふつうの幸せ」
--------------------------------------
年収2000万円とか、ビジネスで1番になるとか、別にそういうのを目指してるわけじゃない。そこそこの幸せでいい。
…と思ってるだけなのに、そこそこの幸せも自分は得られないんじゃないか?と思っている人が最近増えているそうです。
確かに、今はそこそこ幸せかもしれないけれども、会社いつ倒産してもおかしくないし、定年前に解雇されるかもしれない。病気にだってなるかもしれない。
そして、そんな風に一度社会からドロップアウトしてしまったらそう簡単には這い上がることなんてできない。
もしそうなってしまったら…なんて考えたらキリがないですが、そう考えたくもなる気持ちもわかりますよね(^_^;)
現に今は不景気で、五体満足な若者でもなかなか就職できない時代。
大したスキルもないような中高年だったら再就職もなかなか大変だし、かといって生活保護なんて申請したら働かないで遊んでるーみたいな感じで周りから非難を浴びてしまう。
結局のところ、行き着く先は自殺…か。
自分も今でこそ暢気に生きてますが、自分もいつかそうならないとも限らないので、下流な人間にも優しい…そういう社会になって欲しいなってのを感じました。
--------------------------------------
☆すぐに白黒つけない
--------------------------------------
例えばイラクで人質になった人たちの話。
本来であれば、非難されるべきは、人質を取った連中の方であるはずなのに、人質になった人たちの方がなにやら叩かれてましたよね(^_^;)
そもそもそんなアブナイところに行くほうがおかしい!とかなんとか。
まぁ確かに、自分から危ないところに行ったんだから、危険な目に遭うのは自業自得って言えるかもしれませんが…
現地で酷い目に遭って、日本に帰ってきてからも、同じ日本人にバッシングされて…じゃなかなかツライですよね(^_^;)
同様に、一度「ふつうの人」から外れてしまった人に対して、日本人は冷たい…というようなことを香山さんは述べています。
就職に関しても、ちゃんと就職して正社員になってれば文句は言われないですが、正社員じゃなくて、フリーターだとかニートだとかっていうと、世間の目はなかなか冷たいですよね…。
何事に関しても、自分が属している方は正しい。あいつらがやってることは間違ってる。間違ってるやつらは非難されて当然。みたいな世相ってなんかやっぱりちょっと嫌な感じですね。
もうちょっといろんな人もいていいじゃない。みたいな朗らかな国になって欲しいもんですね。
--------------------------------------
☆勝間和代を目指さない
--------------------------------------
がんばってもがんばってもがんばっても報われない人はいるのだから、みんながみんな勝間和代を目指す必要はないって話ですね。
まぁ確かにそうかもしれないですよね。誰にだって得手不得手があるわけだし、みんながみんな勝間さんにはなれないですもんね(^_^;)
僕もどっちかっていうと、お金持ちになりたい!とかビジネスで成功したい!っていうよりは、そこそこに幸せに暮らせたらそれでいいかなぁ〜
なんて思うようになってきたので、結構香山さんの意見には同感な感じですかね(笑)
ただ、がんばらなくてもいいや〜って毎日暢気に暮らしてると、「そこそこの幸せ」も無理だってところがやっぱり痛いですよね(^_^;)
がんばって勝間和代は目指さないけれども、がんばってそこそこの幸せを維持していけるようにがんばろうかなぁって思いました。