|
評価:
乾 ルカ
文藝春秋
¥ 610
|
【感想】「め・くち・みみ」「は・みみ・はな」をテーマに扱ったホラー小説ですね。
今まで読んできた乾ルカさんの作品、「ばくりや」「メグル」「あの日にかえりたい」がなかなか読後感のいい感じの面白い小説だったので、今回もそんな感じなのかなーって勝手に思ってたんですが…
思った以上にホラー色が強くてグロい感じだったのがちょっとツラかったです(^_^;)
具体的には、ちょっと変な能力を持った人たちが出てくるんですが…その能力の描写と、その人の容姿がちょっと生々しいんですよね。。。
特殊能力ってちょっと持ってみたいなーって思ったこともあるんですが、こういう能力で、こういう容姿になってしまうのであればちょっと遠慮したいなーって感じでした。
--------------------------------------
☆百焔
--------------------------------------
見難くて難の取り柄もない姉が、美しくて何をしても様になる妹に嫉妬して…っていう話ですね。
幼い頃から妹と比べられ、褒められるのはいつも妹ばかり。
何か新しいことを初めても、後から妹が真似をして、結局妹の方が上手くなってしまう。
楽しいことはみんな妹に奪われて、妹は幸せそうなのに、自分は楽しいことなんて何にもない。
そんな姉の妹に対する執念がなかなか生々しいなーって感じでした。
当然、こんな感情を妹に対して抱いていれば姉妹の間で上手くいくわけもなく、とある事件が起こってしまうんですが…
同じ血を分けた姉妹なのに悲劇的な運命をたどってしまうことになるふたりの関係がなかなか切なかったです。
ラストの読後感こそそんなに悪い感じではなかったですが…姉さんの思考回路が暗くて読むのがしんどかったですね。。。
--------------------------------------
☆は
--------------------------------------
友人から得体のしれない魚を食わされて…っていう話ですね。
食べてる途中にその魚の正体をぽつぽつと語られることになるんですが…
その魚が一体なんだったのかっていうのを語った描写がなかなか生々しくてグロくてちょっと嫌な感じでした。。。
まさか、普通の○○だと思ってたものが、実は○○を☓☓て、▲▲を□□して、●を☓☓て、最後には◎◎まで☓☓てしまうような魚だったなんて!!
↑伏字だらけで未読の方はわけがわからないかと思いますが…この魚の正体…すごかったです(^_^;)
ある意味続きが気になって一気読み状態だったんですが…食事前には読まない方がいいのは間違いないなーって思いました。