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評価:
折原 一
東京創元社
¥ 840
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【感想】折原一さんのデビュー作に手を加えた短篇集らしいです。
内容は…タイトルからわかるとおり、密室殺人を扱った短篇集になってるんですが…
結構本格的な密室ものになってるのかと思いきや、結構おバカな密室ものも多かったのでなかなか楽しめました。
展開的にはしつこいくらいに密室が出てくるので、確かに「また密室!?」と思ってしまって、タイトル通り「密室殺人が多すぎる」って感じだったんですが…
思った以上にゆるーい展開だったのが読みやすくてよかったですね。
ガチガチの本格ミステリだったら、途中で飽きてたような気がするので逆によかったです(^_^;)
ちなみに、密室大好き人間なくせして、全然見当違いな謎解きをして事件を混乱させるだけのバカ警部である黒星警部が、ユニークで面白かったです。
ほんとにバカでつかえねー!としか言えない警部ですが、こういうおバカなキャラが職場に一人でもいると癒やされそうでいいなって思いました(笑)
(まぁいたらいたで迷惑なだけかもしれませんが(笑))
以下、印象的だった短編の感想です。
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☆ディクスン・カーを読んだ男たち
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鍵のかかった密室で二人の男が白骨化して死んでいた…という話ですね。
鍵は死んでいた男の側にあり、どちらかが相手を殺したのならば、犯人は何故逃げなかったのか、というミステリー。
彼らはともにディクスン・カーファンであり、ディクスン・カーが謎にちょろっと関与(?)してたりするんですが…
事件の真相はなかなか奥が深くて面白かったなって思います。
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☆やくざな密室
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やくざの組長が、敵対する組からのロケット砲に備えて核シェルターに避難していたところ、内部から鍵のかかった密室で組長が何者かに殺されてしまったというお話。
これは、ロケット砲とか核シェルターとか出てくるあたり、かなりあやしい話だってのはなんとなーくわかるかと思いますが…
事件のオチの方もなかなかユニークでおバカな感じで面白かったです。
若干、こういう真相でいいのかよ!ってツッコミ入れたくなっちゃう気がするんですが…まあこれはこれでありなんですかね?
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☆不透明な密室
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ロープウェーのリフト内で女性が何者かに殺害されたという話。
リフトの中には女性以外にだれもおらず、凶器もなく、一体どうやって殺人事件が…というミステリーですね。
これだけ見るとなんか、一体どうして!?と思ってしまってちょっとわくわくしてしまったんですが…
なんか事件の真相は意外とあっけなくて、え?それだけ?と思ってしまったのが、ちょっと残念だったかなぁって思います。
ただ、登場人物たちは、相変わらずおバカな人たちがたくさん出てきて、なかなか面白かったです(笑)
この作品は、ドリーマンさんの紹介本でした。
どうもありがとうございました。