映画と本の備忘ログ

映画・本・テレビなどの個人的な感想などを載せてます。
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読書記録「蝦蟇倉市事件2」

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評価:
秋月 涼介,北山 猛邦,米澤 穂信,村崎 友,越谷 オサム,桜坂 洋
東京創元社
¥ 1,785

【感想】
何故か不可解な殺人事件が次々と巻き起こる、いわくつきの市「蝦蟇倉市」を舞台にしたアンソロジー集2作目ですね。

まぁミステリー作家さんたちが集まって次々と事件を起こすもんだから、殺人事件がたくさん起こる市として有名になってしまうのもわからなくはないですが…

「殺人事件」に慣れてしまって、どこどこで殺人事件が起こった!って言われても全然動じる気配すらない市民たちの行動がなかなか面白いですねー。

同じ市内で、連続殺人でもないのに次々と人が死んでいっても、市民たちは怯えるわけでもなく、この謎はおれが解いてやる!みたいなノリ。なかなかシュールでした(笑)

ちなみに、今作の執筆陣は、秋月涼介さん、北山猛邦さん、越谷オサムさん、桜坂洋さん、村崎友さん、米澤穂信さんといった顔ぶれ。

北山さん、越谷さん、米澤さんは割と好きな作家さんなんですが、やっぱりこの変は話が上手くて面白かったです。


以下、印象的だったお話についての感想です。
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☆さくら炎上(北山猛邦)
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自分の親友がクラスメイトを殺害している現場を目撃してしまった女子高生のお話。

普通ならこんなシチュエーションに遭遇することなんてないかと思いますが…

もし、自分の親友が殺人を犯して逃走していったら、どうしちゃいますかねー?

この主人公は、親友を守るため、事件を隠ぺいする!という手段に出るんですが…

いくら親友とはいえ、殺人事件の秘密を握ってしまって、誰にも話せないっていうのはなかなか辛そうでした。

友情を取るか、正義を取るか。

普通は正義を取るべきなんでしょうけど、親友を売るってのもなかなか大変なことなんでしょうね。

ちなみに、この親友がクラスメイトを殺害したのは、ものすごい唖然とする動機だったりするんですが…

正直言ってそんなことでクラスメイトを殺すなよと思ってしまいました(^_^;)

まぁこんな不条理な事件が起こってしまうのも「蝦蟇倉市」だからこそなのかもしれませんが(笑)

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☆観客席からの眺め(越谷オサム)
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教え子と恋愛関係にあった教師が、めった刺しにされて殺害されていたというお話。

越谷さん作ということもあって、さわやか青春系?と思いきや…

思いっきりダーティな作風だったのがちょっとオドロキでした(^_^;)

簡単に言っちゃうと、教師だったらいろいろやっちゃいたいよね?系?

でもでも、自分は普通のことじゃ満足しないよ系?

具体的にどんな話なのよ!ってのは自主規制で伏せておきますが…

越谷さん作とは思えないくらいのブラック路線でびっくりでした。

ミステリなんですが、うん、こんな教師逝ってよ〜し!な気持ちになるという不思議なお話でした(笑)

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☆ナイフを失われた思い出の中に(米澤穂信)
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叔父が3歳の姪をナイフでめった刺しにするという事件のお話。

米澤さんなのでライトな学園ミステリかと思いきや…

こちらも割と大人チックなシリアス路線のミステリだったので、なかなか楽しめました。

一見すると、頭のおかしなやつが起こした猟奇殺人としか思えないようなこの事件。

でも、裏側を調べてみると単純にはそうとは言い切れない、なんてところが深くて面白かったです。

あれは●●だからとか✕✕だからとか、ニュースで流れてるような一面でしか見ないで物事を判断すると、物事の真相は逆に見えなくなるんじゃないかなーなんて思えた作品でした。
 
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本 【その他】 | comments(0) | -

読書記録「おしかくさま(谷川直子)」

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【あらすじ】
どうやら父親が浮気しているらしい。そう母親に告白されたミナミは、ある日、どこかに出かけていく父親をこっそりと尾行することにした。そして、辿り着いたのはとある女性の家。やっぱり父親は浮気をしていたのか、とミナミは勘ぐるのであったが、そこから出てきたのは、4人のちょっと個性的な女性たちであった…。


【感想】
お金の神様である「おしかくさま」のお話。


具体的にはどういうことかというと…

「おしかくさま」を信じると、金運がアップして、宝くじとか競馬とかが当たりやすくなる神様…ってことなのかな。

若干胡散臭い感じがしなくもないですが…

簡単にできることで、実際に、「試してみたらこんなに当たっちゃった!」なんて話を聞いたら、ちょっと試してみようかな?なんて思っちゃうかもしれませんね。


ちなみに、この神様、崇拝するのが神社…じゃなくて、ATMってところがユニークで面白かったです。

お清めしたいお金をATMに入金して、お祈りしてから、同額を出金する。

たったこれだけで、汚らわしいお金から、清らかなお金に変化して、金運もアップ!


確かに、お金の神様なら、ATMに宿ってるって言われてもおかしくないかもしれませんが…

こんな近代的なところに神様がいるってのもなんか変な感じがしますね(笑)



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☆普通の宗教とエセ宗教の違いってなによ?
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あと、このATMの神様を信仰してる!っていうと、明らかに胡散臭い目で見られることは間違いなし!かと思いますが、

そもそも、普通の宗教と、胡散臭い宗教の違いってのはなんなんでしょうね?

高いお金を払って、何の効果があるのかよくわからないお札とか壺なんか買っちゃうと、あーやっちゃったね。。。な雰囲気になっちゃいますが、

お寺とか神社でお札とかお守りとか買っちゃっても、やっちゃったね。。。な感じにはならないですもんね。


その根本的な部分が、歴史なのか信者の数なのかはよくわかりませんが、なんかそういうのも面白いなーって思いました。
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本 【その他】 | comments(0) | -

読書記録「ア・ハッピー・ラッキー・マン(福田栄一)」

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【あらすじ】
とある大学の3年生の幸也は、いつものように平穏な日々を送っていたのだったが、ある日、その平穏な日々は突如として崩れ去った。これでもか!というくらいにハッピー(?)でラッキー(?)な出来事が次々と舞い込んできたのだ。めまぐるしく幸也に襲いかかるハプニングに、寝る間もないくらい大忙しな日々を送ることになるのであったが…。


【感想】
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☆次々に巻き起こるハッピーでラッキーな出来事☆
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「ア・ハッピー・ラッキー・マン」というタイトルからわかるように、ハッピーでラッキーな男について書かれたこの本。

どれくらいハッピーでラッキーなんかなーなんて思って読んでみたんですが…

思ってた以上にハッピー(?)でラッキー(?)な展開がなかなか愉快で楽しかったです。


寮で生活してる大学生の男の子が主人公なんですが、次々にハッピー(?)でラッキー(?)な出来事が起こるんですよねー。

具体的には、

1.楽だと思ってた講義が急に鬼教授に変わって1週間以内に分厚い参考書を読んでレポートを書かなくてはならなくなる

2.今まで寮のお世話をしてた管理人さんが急に倒れて、代わりに掃除とかご飯の用意とかをしなければならなくなる

3.友人の彼女が行方不明になり、北海道に研修中の彼に変わって捜索しなければならなくなる

4.上京して早々警察のお世話になり、目を離すとかわいいお姉ちゃんのお店に行こうとする祖父の面倒を見なければならなくなる

5.バイト先の飲食店に急に客が来なくなり、なんで急に客が来なくなってしまったのか調査しなければならなくなる

6.痴漢が寮内に逃げ込んだと通報され、寮生の無実を明かさなければならなくなる

などなど。

レポートを早く書かなきゃ留年決定!なのに、なんでこんなタイミングで!っていうくらい次々に巻き起こる怪事件。

レポート用の参考書すら読む暇がなかなか取れなくて、ほんとにレポート大丈夫?って思ってしまうような、そんなハチャメチャぶりが読んでて楽しかったです。

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☆主人公いいひと☆
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あと、読んでていいなーって思ったのが、主人公がすっごく「いいひと」なところ。

正直なところ、レポートとかおじいちゃんのお世話とかはともかく、他の事柄って「なんでおれがそんなことしなきゃなんねーんだよ!」で断ることだってできる内容なんですよね。

なのに、自分のことは放ったらかしで、自分のことを頼りにしてくるみんなの面倒を見てあげちゃう。

そんな彼のすごーくお人好しな性格。読んでてとっても和みました(^^)


面倒なことをいろいろ押し付けられるのって、その時はいろいろやっかいではありますが...

終わってみて振り返るとあの時は楽しかったよねーなんて語れる日もくるだろうし、何事もハッピーでラッキーと言えるのかも。なんて思っちゃいますね。



この本はmooさんの紹介本でした。とても、とっても楽しかったです。どうもありがとうございます(^^)
 
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本 【福田 栄一】 | comments(0) | -

読書記録「なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る(野崎まど)」

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【感想】
お人好しのゆかりくんが、たまたま、縁を司る不思議なうさぎさんと出会ってしまったというお話。


具体的にはどういうことかっていうと…

このうさぎさん、人と人を結ぶ縁が見えるらしいんですよね。

で、その縁を切ったり(!)結び直したり(!)なんてことができちゃうんだとか。


普段は人の手ではどうしようもない「縁」という代物を、結んだり切ったりすることで、人生変えちゃう。

自分の知らないところで、うさぎさんがそんなことをやっていたとしたらちょっとイラッとしそうな気がしなくもないですが…

実際不思議な縁を感じることってやっぱりあったりするので、そこら辺は、実はこういううさぎさんが暗躍してたりするのかなーなんて思ってしまった作品でした(笑)


全体的には、「縁を切る」よりは「縁をつなぐ」お話の方が多いので、ほっこりしたい人にオススメですね。


以下、印象的だったエピソードの感想です。
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☆第一話
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憧れの先輩がいるものの、片思い中で、告白できずにいる美術系女子のお話。

先輩が大好きで大好きで大好きで大好きで。

そんな雰囲気はとーっても伝わってくるのに、悲しいことに、2人の間に縁はなし。


よっしゃ!それならうさぎさんの出番だね!

で、ちゃちゃっと縁を結んじゃえばいいような気がしなくもないんですが…

うさぎさんでも、誰でも彼でも好き勝手に縁を結べるわけじゃないってところが縁の難しいところ。


彼女の思いが通じて、縁が結ばれるのか。

それとも、思い虚しく、縁が結ばれることはないのか。

いかにも青春!って感じの雰囲気がなかなか好きでした(^^)

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☆第二話
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志半ばで田舎に帰ることになってしまった女の子と、その子と厚い友情で結ばれた男の子たちのお話。

縁といえば、男女間の愛情の縁を思い浮かべることが多いかと思いますが…

こちらは、それとは打って変わって、友情の縁が強調されていたのが読んでいてなかなか素敵でした。


具体的な話としては、彼女の夢である「かわいいママチャリを作ること」をみんなで成し遂げよう!って話なんですよね。

でも、予算がない。時間もない。スキルもない。人手もない。のないないづくし。

彼女が田舎に帰っちゃうまでに完成させたいのに、なんとかならないのかー!みたいな青春映画みたいな展開がなかなか好きでした(笑)

男女間の愛情じゃなくて、男女間の友情。それがすごくいいなって思えたお話でした。




この作品は、ぺんぎんさんの紹介本でした。どうもありがとうございました(^^)
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映画鑑賞記録「ジャッジ!」

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【あらすじ】
大手広告代理店に勤める太田喜一郎。彼は、とある事情から、国際広告祭の審査員をやることになってしまう。英語も得意でないし、CMの実績もない彼は、突然のことに戸惑ってしまうのであったが…。

【感想】
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☆にゃーにゃー楽しい☆
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何をやってもダメダメな若手広告マンが、ひょんなことから、世界規模の広告祭の審査員をやることになって…というお話。


設定的には結構ムリがあるかと思うんですが…

コメディ映画だから、何をやってもOKだろ!?みたいなノリがかなーり楽しくて良かったです(^^)


特に、物語の中核を担うことになる、キツネうどんのCMがいいんですよねー。

キツネうどんだから、キツネの着ぐるみを着た男が、腰を振って、コシがあっておいしい!みたいなCMなんですが…

この、いかにもくだらねー!な感じのCMが、まさかの一大騒動を巻き起こしていって。

まさかの、予想外の、こんなのありえなーい!な展開が次々に巻き起こっていく感じ、なかなか素敵でした。


しかも、なんどもなんどもなんどもなんども出てくるので、最初はくだらねーって思っていてもいつのまにか魅了されちゃうんですよねー。

もう、見終わったころにはニャーニャー!が頭のなかでエンドレスリピートされること間違いなし!な作品でした(笑)

↑ちょっと意味不明ですが、見た方には絶対共感いただけると思います!(笑)



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☆伏線がすごい
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あと、随所に散りばめられた伏線の数々が見事に回収されていくサマは…すげーな!って感じで感動でした。

物語の最初の方で出てくるあのアイテムとか、あのポーズとか、単なる小ネタなのかなーなんて思って見てたんですが…

実は物語のキーだったりするんですよね。

まさかのあのアイテムがこんなところで役に立って!とか、まさかのあのセリフにこんな意味があったなんて!とかそういうのが盛りだくさん!

伏線張られまくりで、それが次々に回収されていく様って、見ていてすごく気持ちがいいので、見終わる頃にはもう爽快な気分でした(^^)

かなりいろいろ仕掛けをしてありそうな映画だったので、もう1回見ても新たな発見があったりして楽しめるかもしれないなーなんて思った映画でした。



コメディがお好きな方はぜひ映画館で見てみてください(^^)


★★★★★
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読書記録「みんな邪魔(真梨幸子)」

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【感想】
かつて流行った人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」

その「青い瞳のジャンヌ」のファン同士が集まって作った「青い六人会」というサークル内でトラブルが巻き起こり…というお話。


最初のうちは、内輪サークル内で、和気あいあいとした感じで進んでいくので、これのどこが「みんな邪魔」に繋がるんだろう?ってちょっと疑問に思って読んでたんですが…

読んでくうちに、みんなの裏の顔ってのが、これでもか!ってくらいリアルに見えてくるのでちょっと怖かったです(^_^;)


趣味友達とか、ネットで知り合った友達とか、そういうのって、表面上は仲良くなったりもできますが、

プライベートが本当はどういう人で、どういう生活をしてる人なのかってのは意外とわからなかったりもしますからね。

出てくる登場人物のハンドルネームが、エミリーとかガブリエルとかなんか日本人ばなれした名前で美人っぽいイメージを抱いてしまう感じなのに、

実際は名前のような優雅な生活を送っているわけもなく、パッとしないおばちゃんで、つまらない人生を送ってたりもする。

そういうのもなんか痛々しいなぁと感じてしまったお話でした。


以下、印象的だった人たちについての感想です。
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☆ミレーユについて
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なんだか美味しそうな名前のミレーユさん。(ミルフィーユに似てるからか?(笑))

ただ、性格の方は…絶対に関わりあいになりたくない最低最悪の人間で嫌なやつでした(笑)

実家で母親と暮らしてるんですが、自分で働く気はさらさらなくて、親の年金を使ってパチンコと漫画三昧。

父親が亡くなると、私は遺産をもらう権利がある!とばかりに、父親の遺産をふんだくって豪遊し、母親が食べるのにも困っていようが、自分は母親の年金を使い果たして、母親には菓子パンを与えるだけ。

まさしく、サイテー。サイアク。

ただ、こんな娘でも、母親に取ってはかけがえのない娘なんですよねぇ。。。

どんなに酷いことをされても見捨てることができない母親の気持ちが切なかったです。。。

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☆エミリーについて
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働かない夫に金をせびられ、あくせく働く割には報われないエミリーさん。

まぁその点では彼女は同情の余地があるのかもしれませんが…

良く言えばお人好し。悪く言えば他人を信じすぎで騙されやすいタイプで、読んでてちょっとイライラ〜な感じでした(^_^;)

明らかに、騙されてるでしょ!アンタ!な状態なのに、相手の言葉を鵜呑みにして人生を狂わされる彼女。

まぁこれは騙してる方が悪いんですけど、何でもかんでも相手の言いなりになっちゃうのは…馬鹿ですよねぇ。。。

僕も割と他人は信用したいタイプ(信用しやすいではない(笑))なので、誰か困ってたら力にはなってあげたいですが…

カモられて何十万円とかをみすみす相手に渡しちゃうのは癪ですね(笑)




で、そんなこんなで嫌な女達が出てくるこの作品。

読んでてちょっとイライラするシーンもあったりしたんですが…面白かったです!(笑)

こういうイヤミス系の作品を好き!って宣言するのは少々憚られますが…こういうの好きです(笑)

紹介してくれたゆいこさん、どうもありがとうございました(^^)
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本 【真梨 幸子】 | comments(0) | -

読書記録「祈りの幕が下りる時(東野圭吾)」

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【あらすじ】
小菅にあるアパートの一室で身元不明の女性の遺体が発見され、アパートの住人も行方不明という事件が発生した。また、近くの河川敷ではホームレスの男性が殺されるという事件も発生した。手がかりは少なく、事件は難航するかと思われたが、意外な点から、加賀の知人が容疑者として浮上してくるのであった…。

【感想】
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☆加賀シリーズ最新作
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「新参者」のドラマ化とかで人気になった加賀シリーズの最新作ですね。

今回は、東京を訪ねた女性が、見知らぬ男性の部屋で変死体となって発見され、部屋の主も行方不明となって…というお話。

これに、加賀が以前会ったことが在る女性とか、加賀のお母さんが昔付き合っていた男性の影がチラついて、人間関係が複雑怪奇に入り混じってるのがなかなか面白かったです。

ただ、予想以上に人間関係が絡まり合ってるので、一気に読まないと、えっとこの人は誰だっけ?状態になっちゃいますねぇ(^_^;)

離婚して名前が変わってたり、芸能人で芸名を使ってたりで、同じ人なのに呼ばれ方が人によって違う登場人物もいたりするので、なかなかややこしい(^_^;)

人間関係も、この人とこの人が恋人関係で、この人とこの人が元夫婦で、この人とこの人が親子で、この人とこの人が友人関係で…っていう情報が後から明らかになったりするのでわけわかめ!

記憶力に自身がない方は、相関図を書いてみることをオススメします(笑)

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☆子を思うが故の過ちか...
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あとは、この作品、親子の愛情がテーマになってるのか、そこんところはなかなか訴えてくるものが強いなーって感じでした。

子供の幸せを願うが故に行った行為でも、その結果、子供を苦しめることになる。

程度の問題こそあれ、そういうことって割とありそうな気がしますよね。

よかれと思ってしたことが、どんどん歯車がずれていってしまうような、そんな運命には切なさを感じました。。。

詳しくは書かないですが、ラストのシーンはほんと悲劇としか言い様がないですねぇ。。。


加賀シリーズとしては新参者の方が好きですが、なかなか読み応えがあって面白かったなって思った作品でした。
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本 【東野 圭吾】 | comments(0) | -

読書記録「憤死(綿矢りさ)」

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評価:
綿矢 りさ
河出書房新社
¥ 1,260

【感想】
綿矢りささん初の連作短編集だという作品集です。

正直なところ、読んでみて、実際どこが「連作」短篇集だったのか全く理解ができなかったんですが…

雰囲気的に「ダーク」なところが「連作」なのかな?

ちょっと、読んでみた方、答えを教えて欲しいなって思いました(笑)


それはさておき、綿矢りささんってそんな「ダーク」な作品ってあんまり書いてなかったような気がするので、その点では読んでて新鮮でした。

意外にも、ホラーめいた作品もあったりして、まさかの展開に突き進んでいくあたりがなかなか面白かったです。

個人的には、ひねくれた女の子を書いてくれた方が面白いなって思うんですが、こういうのもたまにはいいのかもしれないですね。


以下、印象的だった短編の感想です。
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☆おとな
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わずが5ページの短編ながら、絶大なインパクトを残してた作品です。

どんな内容なのかっていうと、幼いころに見た夢の話。

具体的には、幼いころに預けられた家で、おじさんとおばさんが裸でまさぐってて、それを主人公のりさちゃんが見ているという夢の話なんですが…

主人公の名前が「りさちゃん」だったり、読み方によっては自分のことを語ってるように読めなくもなかったりで、もしかしたら著者も昔そういう経験が…?と思わず想像してしまいそうな、ちょっとゾッとするようなお話でした。

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☆トイレの懺悔室
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小学生の頃に、近所のおじさんにトイレに連れ込まれて「懺悔」をさせられたというお話。

別に、おじさんに変なことをされちゃった!というわけではないので、そういう系のお話ではないんですが…

その「懺悔」がきっかけで、その少年たちに変化が訪れて…っていうストーリーがなかなかホラーめいてて怖かったです。

人間何十年も経てば、幼いころとは人格がだいぶ変わってしまってもおかしくはないかと思いますが…

変な方向に人格が歪んでしまった人間っていうのは、過去を知る人からするといろいろ複雑だろうなぁって感じました。

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☆憤死
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プライドの高い女の子が、飛び降り自殺をして、骨折してしまったというお話。

作中で、「憤死ってどのような死に方だろう?」って描写があるんですが…

確かに、身近で「憤死」したって話はあんまり聞かないですよね??

怒り狂って血管が切れてそのまま死んでしまう。なんて事態は、なくはないだろうけど、そんなに頻度は高くなさそうで。

でも、そんな「憤死」という言葉がぴったりくるような、そんな場面がなかなかユニークで面白かったです。

歴史上の人物が「憤死」するのとはまたちょっとニュアンスが違うような気がしなくもないですが、こっちの「憤死」はそのシーンが頭のなかに浮かんできてしまってちょっと笑えました(笑)
 
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本 【綿矢 りさ】 | comments(0) | -

読書記録「つばさものがたり(雫井脩介)」

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【あらすじ】
パティシエールとして働く君川小麦。彼女は、ある日、自分の体が病気に侵されていることを知る。このままでは働き続けることができなくなるかもしれない。そう考えた彼女は、思い切って、自分の夢であり、母の夢でもあったケーキ屋さんを母と一緒にはじめてみることにしたのであったが…。

【感想】
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☆病気と戦うケーキ屋さん
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長年の夢だったケーキ屋さんを開くことになったものの、難病に侵されてしまった女性の話。

難病ものって結構、泣かせてやるぜ!みたいなベタな展開が苦手だったりするんですが‥

実際に読んでみると結構ぐっと来ちゃうんですよねぇ。

この作品も、幸せを掴みかけた彼女に襲いかかる試練がなかなか読んでてつらかったです。

最終的には彼女の病気が治ってハッピーエンドになるのか、それとも、死んでしまってお涙ちょうだい!な展開になるのかは読んで下さいってことにしておきますが…

夢に向かって頑張り続ける彼女の生き様がなかなかかっこよくて面白い作品だったなーって思えた一作でした。

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☆経営者って大変
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あと、印象的だったのは、個人経営のお店も経営するのって大変なんだなーっていうことでした。

主人公の女性と、その母親と、お義姉さんと、あともう一人パートさんを雇ってお店をスタートさせたんですが…

お店の経営が思った以上に芳しくなくて、誰かを切るか、給料をカットしなきゃいけない!って事態になっちゃうんですよねぇ。

身内だからって母親や義姉の給料を半減!なんてわけにもいかないし、今まで頑張ってくれたパートさんをリストラするのも心苦しい。

身内だからってなんでも意見が一致するわけでもないし、お店を経営するのって大変なんだなーって感じました。

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☆スイーツ美味しそう
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あとは、舞台がケーキ屋さんなだけあって、出てくるスイーツが美味しそうってことですかね。

ショートケーキにロールケーキ。シュークリームにミルフィーユにショコラにティラミス。

うう。スイーツの名前が並んでるだけでなんかよだれが。。。Σ( ̄ロ ̄lll)
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本 【その他】 | comments(0) | -

映画鑑賞記録「行け!男子高校演劇部」

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【あらすじ】
高校に入り、モテる部活を探していたオガ。そんな彼は、ある日、演劇部のジュリエットを演じている女性に恋をしてしまった。その場の勢いで演劇部に入部するオガ。しかし、その高校は男子校であり、ジュリエットは男性なのであった…。

【感想】
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☆オバカな演劇部
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男子校の演劇部を舞台にした作品ですね。

この映画見たかったんですけど、近くの映画館でやってなくて、動画でやっと見れました。

感想は…オバカなやりとりが超楽しい!(笑)

最初の方こそ、小ネタが若干スベってる気がしなくもないものの…

クライマックスからラストにかけての演劇のシーンは爆笑の嵐でした。


演目は、「最後の葉っぱが落ちたら、私は死んでしまうんだわ!」という内容の、オー・ヘンリーの「最後の一葉」の話だったんですが…

物悲しいストーリーのはずなのに、何故かめっちゃコメディなんですよねー(笑)

きっと誰もが想像つかないような予想外の展開。いやー楽しかったです。


コメディが好きでオバカなノリが楽しめる人ならきっと面白いと思うのでぜひ見てみてください。オススメです。

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☆個性的な俳優陣
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あとは、地味なんだけど味のある俳優陣がなかなか個性的でよかったですねー。

主役の中村蒼くん、池松壮亮くんあたりは、割と有名かと思うんですが…

それ以外の部員たちも、キャラが濃くてなかなか良かったです。


影が薄すぎてみんなの視覚に入ってこないやつとか、

かっこ良くないのにナルシストなやつとか、

イケメンなのに超バカなやつとか(笑)


他で全然見たことないし、ブレイクもしなそうな感じがしますが、味のある脇役っていいなーって思いました。


★★★★★
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