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評価:
宮木 あや子
日本経済新聞出版社
¥ 1,404
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【感想】
もうすぐ30歳!な女子たちを描いた連作短編集ですね。
30をとうに過ぎ去った自分からすると、30なんてまだまだ若い!としか思えないですが…
30を目前に、趣味に仕事に男に悩んでいる(?)女子たちをコミカルに描いた作風が、なんかとっても楽しめました(^O^)
正社員じゃなくて派遣社員だし、彼氏はもう何年もいないし、もうすぐ30歳の瀬戸際で、それなりに悩んでる彼女たち。
でもでも、仕事は誇りを持ってやってるし、給料は悪くないし、自分の趣味も満喫できてる。
「自分」というものをしっかり持って、毎日を活き活きと生きてる彼女たち。
なんかカッコいいですねぇ。
で、作者自ら「ウルトラハッピーエンドな話」というだけあって、終わり方もなかなかいい感じ☆
もうちょっと彼女たちの続きを見ていたいような、そんな幸せな気分に浸れました。
いやはや、面白かったです。紹介してくれたmooさん、どうもありがとうございました(^O^)
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆脳膜☆サラマンダー
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人材派遣の仕事をしてる中尾ちゃんのお話。
最近の趣味は仏像を掘ること。
でも、誘われれば、AKBにだって行くし、バドミントンで遊んだりもするし、中学生の野球を見に行ったりもする。
で、それなりにハマって楽しんできちゃったりもする。
なんか…読んでてとにかく楽しそう!な感じのする女の子のお話でした。
なんにでも好奇心旺盛で、あ!それ面白そう、これも楽しそう!っていろいろ手を出せる性格ってなんか楽しそうでいいですねー。
ちなみに、彼女のもとには、ひょっとしてゲイ?と思えるほど美しい男性が現れるのですが…
ゲイなのかよくわからないまま、だんだん仲良くなっていくふたりの関係がなんだかもどかしくて面白かったです(笑)
でも、女子より細いとか、女子より美しいとか、女子よりオシャレとか、そういう男って…なんか女子からすると扱いにくそうですね(笑)
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☆両国☆ポリネシアン
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実家は鯛焼き屋さんで下町生まれなのに、普段はオシャレな都会系女子を気取っているパティさん(仮)のお話。
そんな彼女は、ある日、交通事故に遭いそうになったところを王子様(?)に助けてもらったことにより恋に落ちるんですが…
そのお相手が、南国出身の力士!っていうのがこれまたユニークな感じで面白かったです。
彼のことを一目見ようと、生まれて初めて国技場に行ってみるパティさん。
そして、「すもう」という競技の魅力に取り憑かれるパティさん。
漫画なんてほとんど読まないのに、すもうに興味が湧いてきたから「どすこい☆三四郎」なんて漫画を全巻買ってみて、感動のあまりカフェで涙するパティさん。
うん。おもしろいです。この人(笑)
思いがけないところから思いがけない人を好きになり、思いがけない繋がりから、思いがけない趣味ができる。
なんか、人生って面白いなーって思えた作品でした。