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評価:
柚木 麻子
双葉社
¥ 1,188
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【感想】
柚木麻子さんの連作短編集ですね。
「ランチのアッコちゃん」というタイトルなので、てっきり「アッコちゃん」が主役の話かと思ってたんですが…
「アッコちゃん」は脇役なんですね(^_^;)
しかも、最初の2話は割と出番が多かったかなと思うものの、後の2話はちらっと顔見世する程度で(^_^;)
タイトルに名前が入ってる割には、存在感が薄い感じだったのがちょっと残念でした(^_^;)
後の2話の方にももっといっぱい出てきて欲しかったですね。なかなか濃いキャラかと思うので。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆ランチのアッコちゃん
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失恋してご飯も喉を通らない部下のため、アッコちゃんがオススメのランチを教えてくれるというお話。
最初のうちは、ランチを食べに行くだけのお話?と思っちゃったんですが…
行く先々がなかなか個性的なお店で、主人公がどんどん刺激を受けていく感じがなかなか面白かったです。
毎日同じ社内で、毎日似たようなお弁当を食べるのもまぁ悪くはないけれど、たまには外に出て、知らないお店でランチを食べてみる!ってのもなかなか楽しくていいですよね(^^)
しかも、チョイスが明らかに自分とはキャラが違う人のオススメのお店だったりするとなおのこと。
こんなところに、こんなお店があったんだー!なんて発見があったり、食べたことがないメニューを頼んでみて、美味しい!と感動してみたり。
ランチなんてお腹が膨れればそれでいい。
若干僕もそんな感じが強かったんですが、折角のお昼休み、何か楽しい、美味しいランチを求めて彷徨ってみるのも面白いのかもなーと思ったお話でした。
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☆夜食のアッコちゃん
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職場の人間関係に悩んでいる主人公の前にアッコちゃんが現れ、移動販売を手伝うことになるというお話。
ランチのアッコちゃんでは、主人公はランチを食べる側の視点だったんですが…
こちらでは、夜食を売る方の視点、ということで、見える世界が180度違う感じがなかなか面白かったです。
ランチを買う方だとお店を選びますが、移動販売みたいな形だと顧客を選ぶんですね。
そして、客層が違えば、出すべきサービスの時間帯や質も違ってくる。
昼もよるも同じ場所にいて、同じ面子と顔を突き合わせてると、思考回路も凝り固まってしまいそうですが…
違った世界にいる人達に接することでなにか見えてくるものもあるのかなーと感じたお話でした。