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評価:
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文藝春秋
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【感想】
大人になってから遭遇する「初体験」に右往左往する大人たちを描いた短篇集、だそうです。
タイトルの「オープン・セサミ」と関係あるのかな?って思って読んでみたんですが…
「オープン・セサミ」の「開けゴマ」という意味とはあんまり関係なさそうでした(僕の読解力が足りないだけ?(^_^;))
ただ、割とユニークな設定が多かったので、読んでて面白いなーって思えた作品が多かったのが良かったです。
人生いろいろな「初体験」があるもんなんですね(笑)
以下、印象的だった作品の感想です。
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☆ラストラ40
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とっさに「リストラ」が思い浮かんでしまって、そういう話なのかなーと思ったら…
小学校の運動会でマラソンを走ることになってしまったお母さんのお話でした(笑)
常々小学生の息子には「お母さんは昔は足が速かったのよ〜!」と言っていた母親。
でも実はそんなに大したことはなくて、実際にリレーの選手になってしまってあたふたしてしまう彼女(笑)
まぁある意味自業自得ではあるんですが、息子の自分に対する信頼を失わないために必死になる彼女がなかなか良かったです。
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☆彼氏彼氏の事情
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こちらも最初読み間違えていて、「彼氏彼女の事情」なのかと思ってたら…「彼氏彼氏の事情」(笑)
結婚していてもう大きな子どももいるし、社会的にも課長というそれなりの立場にいる。
…んだけれども、何故か会社の部下と仲良くなってしまって、頻繁にメールするし、ご飯も2人で食べにいくから、怪しまれるというお話(笑)
まぁ「彼氏彼氏」の関係ってのとはちょっと違うような気がしなくもないんですが…
おじさんふたりがなんだか仲良くやってるのがちょっと笑えました(笑)
まぁこういう関係もいいですよ…ね?(笑)
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☆ある日、森の中
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夫が定年退職したのを機に、登山に目覚めてしまった主婦のお話。
60過ぎてから登山に目覚めるってのもなんかすごいなーって思って読んでたんですが…
60過ぎて登山に目覚めて、山で遭難して…って展開になっていくもんだからちょっとビビりました(^_^;)
そして、意味深なのは「ある日、森の中」というタイトル。
童謡の歌みたいな展開につながるのかどうかは読んでくださいってことにしておきますが、なかなかすごい展開で面白かったです。