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【あらすじ】
15年前にかつて文学賞を受賞したことのある良多。彼は、現在は探偵事務所でぱっとしない日々を過ごしていたのであったが、ある日、ひょんなことから、かつての妻である響子や息子である慎吾と共に、自分の母である母の家で過ごすことになるのであった…。
【感想】
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☆いい意味で普通な映画?
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売れない小説家と年老いた実母、そして別れた妻と息子のお話。
これといって大事件が起こるわけでもなく、主人公のぱっとしない日常の一部を切り取ったような映画だったんですが…
ごくごく普通(?)の生活で、普通にそこらへんでしてそうな会話がなかなか瑞々しくて見ていて心地よくなるような作品でした。
やっぱり家族映画けっこう好きかも。
節約節約でアイスを買うのももったいないからカルピスを凍らせたものを食べてるような生活をしてるものの孫とか子供には甘い祖母とか、
お母さんに迷惑かけないでよねーみたいなことをいいつつ自分もちゃっかり親に甘えてる姉とか、
お金ないくせに親とか息子には心配かけたくなくて見栄ばっかり張ってる主人公とか、
ほんとは別れた夫の家族になんて会う必要もないのに会ってしまう元妻とか
なんかご近所さんの家庭を覗いてるみたいで、なかなか面白かったです。
直接ストーリーには絡んでこない小ネタも多いんですが、その登場人物の個性が見える感じがいいですねー。
ホンモノの家族が日常会話をしてるような、そんな雰囲気がすごく好きな作品でした。
あと、この映画、結構たくさん名言を言ってるような気がする…
もう1回映画館では見ないだろうけれども、いつかまた見返したい映画ですね!(^O^)
★★★★☆
【あらすじ】
ちょっとした出来事から、自分の妄想の世界に入り込んでしまう癖のある平野木絵。そんな彼女の前に、まるで王子様のような容姿をした同僚の高台光正という男性が現れた。彼はきっとどこかの王家の生き残りに違いない!そんな妄想を繰り広げる木絵であったが、そんな彼女の妄想は、テレパスである光正には全て読まれているのであった…。
【感想】
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☆妄想楽しい!
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人の心を読める「テレパス」の才能を生まれ持った男性が、妄想大好き女子に恋をする、というお話。
予告編を見て、コメディタッチで面白そうだったので見てきました。
見てみた感想は…
ちょっとシリアス過ぎるかなーってところや、いや、そこ無理あるでしょ!って思っちゃうところがなくはないけれども、
全体的には妄想満載ですっごく楽しめた映画でした(^O^)
無茶苦茶でバカっぽいストーリーが好きな人なら楽しめるんじゃないかと思います(笑)
休みがあけたら会社が謎の組織に占拠されて、仕事どころじゃなくなっちゃうかも〜♪
素敵なあの人の家族はみんなバンパイアで、永遠に生きながらえているのかも〜♪
実は自分は水泳の才能があってオリンピックも狙えちゃうかも〜♪
楽しい妄想が満載でした(笑)
楽しい妄想ができると、人生も楽しくなりそうでいいですね〜♪
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☆テレパスも大変ね…
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あと、心が読めるが故の苦しみと、心を読まれるが故の苦しみが描かれてるんですが…
確かに、知りたくもないのに勝手に相手の声が聞こえてくるのも、
知られたくない心の声までも勝手に読まれてしまうのは、どっちもなんだか嫌ですね(^_^;)
心の声が勝手に聞こえてきたら人間不審になりそうだし、
心を勝手に読まれてたとしたら、秘密主義の自分としてはもう生きていけません!(笑)
心が読めるのもなんか便利そうではありますが、それを背負って生きていくのも大変ですねー。
★★★★★
【あらすじ】
ある日突然余命数日と告げられた僕の前に、自分と同じ姿をした悪魔が現れた。彼の話によると、僕の大切なものを1つ世界から消す変わりに余命を1日延ばしてくれるのだという。苦悩の末、僕はたくさんの思い出の詰まった「電話」をこの世界から消すことにしたのであったが…。
【感想】
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☆大事なものが消えていくのは…
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余命わずかの男性のもとに悪魔(?)が現れ、余命を1日延ばす代わりに彼の大事なものを世界から消していく、というお話。
作中では、「電話」「映画」「時計」といったものが世界から消えていくことになるんですが…
やっぱり自分の大事なものが世界から消えていくっていうのは、自分が自分でなくなるようで怖いですね。。。
世界から電話が消えたなら、あの人と電話で話した大事な思い出がなくなる。
世界から映画が消えたなら、あの人に薦めてもらった映画の思い出がなくなる。
そして、世界から猫が消えたなら。。。
なかなか見ていて切なくなるような映画でした。。。
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☆思い出つくりたい!
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んで、この映画を見て感じたのは、やっぱり思い出を作ることっていいなーってことでした。
映画を見て感動するのも思い出。
映画がきっかけで誰かと仲良くなるのも思い出。
誰かと一緒に暮らすのも思い出。
誰かと一緒に旅行に行くのも思い出。
誰かと交わした些細な会話も思い出。
まぁ長い間生きていけば忘れちゃうことも多いんだろうけれども…
自分の人生振り返ってみて何も楽しかったことが思い出せないっていうのは悲しいので
できるだけ思い出いっぱい作って、たくさん記録に残しておきたいなーって感じました。
★★★★☆
【感想】
19歳だった弟が急遽亡くなり、父と弟が住んでいたうどん屋に帰ってきたというお話。
弟が亡くなって・・・と言ってしまうと悲しいストーリー?!って思ってしまうかもしれないですが…
そうではなくて、割りとのんびりほわほわした感じの作品だったので読んでて心地よかったです。
意外と山下貴光さんの作品の中で一番好きかもしれない作品でした(^o^)
以下、印象的だった短編の感想です。
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☆さんぽナビ
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亡くなった弟が遺したカセットテープに吹きこまれていたさんぽルートを辿ってみようというお話。
弟は既に亡くなっているんだけれども、まるでまだ生きてるかのように、カセットテープの中から話しかけてくるのが不思議なお話でした。
どこどこに着いたら右に曲がれ〜とか、ナントカってお店に入ってみてーとか。
もし自分の家族がこんな風にメッセージを遺していたら泣いちゃいそうではありますが…
最後に故人の好きだったものを巡るさんぽができるってのはなんかいいなーと思ったお話でした。
【感想】
トンガを舞台にした、湊かなえさんの連作短編集ですね。
タイトルの「絶唱」の意味がわからず、悲鳴でも上げてるのかと思ったので(それは絶叫ですね(^_^;))
イヤミス系なのかなーと思ってたんですが、意外とそんな感じでもない感じでしたね。
ただ、登場人物たちのベースに「地震」があるようなので、若干重い雰囲気だなーって感じたお話でした。。。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆楽園
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地震で双子の姉妹を亡くしてしまった女性の話。
ある日突然トンガにある「楽園」に行きたくなって、誰にも告げずに行ってしまうんですが…
いろんなものに縛られて、「本当の自分」を出せない日々日常に嫌気がさしたのなら
誰も知ってる人がいない異国の地に行けば「本当の自分」になれるって思う気持ちもわからなくはないですね。。。
まぁこの主人公の場合はかなり特殊な事情を抱えていたってのもあるんですが…
誰にも告げずに突然いなくなられると、周りの人間は非情に心配するので、迷惑な話だよなーと思ってしまったお話でした。。。
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☆絶唱
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震災時の行動に後悔している女性の話。
なんとか自分は生き残ったものの、やっぱり当時被災地に住んでいたとしたら、身近な人が亡くなっていてもおかしくないですよね。
で、自分は生き残ったのにあの子は死んでしまった、あの時ああしていれば…みたいな後悔したり。
生き残ったことは素晴らしいことだし、自分を責める必要はまったくないんだろうけれども…
まるで罰を受けなければならないかのように生きていかなければならないってのはなんかつらいなぁって感じたお話でした。
あと、偽善ってわけではないんだろうけど、直接被災したわけじゃない人たちが、被災者はこうだからこうするべき!みたいに勝手に決めつけるのもどうかと思っちゃいますね。。。
いらない千羽鶴ともらって喜んだり、いらない心のケアなんて受けたくはないですよね。やっぱり。
(まぁそれで救われる人もいないことはないんでしょうけど…)
【感想】
スープ屋のご主人が、お店にやってくる人たちの謎を解決するという短編ミステリーの第二弾ですね。
お店をやっているので、いろんなお客さんがやってくるんですが…
いろんなお客さんがいれば、いろんな謎もある、というわけで今回も謎解き面白かったです。
普通に生活してるだけだと、なんだか不思議な出来事のまま終わってしまいそうなことでも、
こういう頭のいい人が近くにいると、なんでも解決してくれそうでいいなーと思ってしまった作品でした。
以下、印象的だったお話の感想です。
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☆シチューの人
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とあるお客さんがかつて中学生だった頃、合宿に行った先で作ったシチューが、何故か固まってゼリーみたいになってしまったというお話。
シチューが勝手にゼリー状になるわけもなく、誰かが何かをしたのは間違いない。
でもシチューをゼリー状にする意味がわからず、誰がなんのために!?っていう感じなんですが…
確かに理由もわからずにゼリー状になったてら気持ち悪いですよね。。。
ご主人が推理した結果によると、ちょっと可哀想なことが原因らしいですが…
いや、普通こんなこと話を聞いただけじゃ推理できないでしょ!(笑)
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☆山奥ガール
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とあるお客さんが最近始めた「狩り」の最中に、目印をつけた場所をたどっていったのに目的地に着けずに戻ってきてしまったというお話。
これもまぁとある事柄が原因ではあるんですが…
理由もわからずに、目的地に辿りつけずに同じ場所をぐるぐる回ってしまうってのは気持ち悪いことではありますよね。。。
こっちも、話を聞いただけで推理できるとは思えないですが…理由を聞いてスッキリしたお話でした。
あと、狩りということでジビエ料理も出てきたんですが…
ジビエって食べたことないんですよねー。オイシイんですかね??
【あらすじ】
政府により「危険人物」と認定された人物はギロチンで公開処刑される。そんな「平和警察」制度が本格的に始動したこの時代、住民はこぞって怪しい人を密告し、次々と処刑される人物が増え続けるのであったが、一方でそんな制度に異を唱える人々も現れ始め…。
【感想】
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☆火星関係ないじゃん?
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火星に住むつもりかい?というタイトルから、ちょっとSFなのかな?って思って読んでみたんですが…
特にあんまり火星とかSFは関係ないストーリーでした。
でもこういう意味深なタイトル、結構好きです。いいですね!
で、どういうストーリーかというと…
国家権力が強引に強化されて、疑わしきは死刑!みたいな法律がまかり通ってしまった世界のお話ですね。。。
例え話として中世の魔女狩りの話が出てくるんですが…
まさにその通りの展開で、読んでいるうちになかなかゾッとしました。。。
どこぞの誰それさんが、悪いことをしているらしい。という噂が広まれば、真偽はともかくしょっぴいて拷問にかける。
自白すればすなわち悪決定=公開ギロチンの計だし、自白しなければ自白するまで拷問するから結局のところ死亡する
…というなんとも恐ろしい世界のお話でした。
国家権力を強化しなければ犯罪が減らない!っていう理論もわからなくはないですが…
国家権力が悪と決めたら何が何でも死刑ってのはやりすぎですよねぇ。。。
若干政治色の強い作品だったので若干読みにくかったですが、いろいろ考えさせられたなーと思った作品でした。